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【妊活】赤ちゃんを迎える前に知っておきたい妊娠の仕組みと基礎知識!

医療法人みらいグループ
赤ちゃんを迎える前に知っておきたい妊娠の仕組みと基礎知識!

赤ちゃんを望んで妊活を始める人に知っていてもらいたい、妊娠の仕組み。
この記事では、女性のお腹の中で起こる妊娠の仕組みについて詳しく紹介します。

「これから妊活を始めたい」
「妊活を始めたけど、妊娠しない」

という人は、パートナーと二人で妊娠の仕組みについて学び直してみるのがおすすめです。
赤ちゃんを望む人が妊娠前に取り組むと良い4つのポイントも紹介しています。

これから赤ちゃんを迎えたい人は参考にしてみて下さい。

妊娠の成立とは

妊娠とは、受精卵の着床から胎芽・胎児とその付属品が排出されるまでの状態を言います。
つまり、受精卵が着床した段階で妊娠が成立したと言えるでしょう。

妊娠が成立するまでの間、女性の体の中ではさまざまな現象が起きています。
赤ちゃんを迎えたいと考えているのであれば、女性の体で何が起こっているのか知っておくと良いでしょう。

妊娠が成立するまでのプロセスを知ることで、赤ちゃんを迎えるために大切なことが見えてきます。

妊娠が成立する確率

避妊をせずに性交渉を行えば妊娠するものだと考えている人は、少なくありません。

実際は、健康に問題の無い男女が避妊をせずタイミングを合わせて性交渉した場合、妊娠する確率は20~30%程度。
この割合は、4~5周期に1度の割合とも言い替えることもできます。
「もっと高い確率だと思っていた」と驚く人も多いでしょう。

健康状態や生殖能力に問題があったり、適切なタイミングで性交渉を行わなかったりした場合、妊娠する確率はさらに低下します。

妊娠の仕組み

排卵から妊娠反応までの流れのイラスト

妊娠の成立には、さまざまな工程を必要とします。
一つ一つの段階をクリアして初めて、赤ちゃんという受精卵が女性のお腹に宿るのです。

妊娠の仕組みを知り、赤ちゃんがどのように女性のお腹へやってくるのかを紹介していきます。

排卵

排卵とは、卵子が卵巣から排出されることです。
受精卵になるためには必要不可欠なので、排卵が正常に行われないと妊娠の成立はあり得ません。

排卵のプロセスは月経中から始まっています。
脳下垂体から放出されるFSH(卵胞刺激ホルモン)が、卵子の素となる卵胞の発育を促します。
排卵される卵子は基本的に1個。複数の卵胞の中で、1番大きく育ったものが卵子として受精のチャンスを得るのです。

卵胞は20mm程の大きさになると、脳下垂体からLH(黄体ホルモン)が分泌されて排卵を行うよう促します。
卵巣から排出された卵子は、卵管采に捉えられることで卵管内に入り込むことができます。

赤ちゃんの素となる卵子ができるまでの間に、既にこれだけでの工程がある事に驚く人も多いでしょう。

受精

性交渉を行うと、1度の射精につき4000万個以上の精子が精液として膣内に侵入します。放出された精子は数十分から数時間をかけて移動。
膣から子宮、卵管へと進み卵子を見つけるとその周りを取り囲みます。

射精時は4000万個以上あった精子ですが、卵子に辿り着けるのは100~1,000個程度。
卵子に辿りつくまでに力尽きる精子の方が多く、生命力の強い精子だけが卵子まで辿りつくことができるのです。

選ばれた精子の中からたった一つの精子だけが卵子の中へと入り込むことができます。
精子の入り込んだ卵子は、受精卵となり赤ちゃんへと成長していくのです。

受精胚の移動

卵子が受精卵になると、細胞分裂を繰り返しながら子宮へと移動を始めます。

受精卵となって約30時間後には2個の割球に細胞分裂を開始。
約40時間後には4個、約60時間後には8個と細胞分裂を続けながら卵管内を移動していきます。

受精卵が子宮に到着するまでにかかる日数は5~6日。
その間、受精卵は細胞分裂を続け胚盤胞と呼ばれる状態になって、子宮に根を張る準備を始めます。

着床する

子宮に到着した胚盤胞は、子宮内膜に潜り込みます。
この現象を着床と言い、ここで妊娠が成立したと言えます。

子宮内膜に潜り込んだ胚盤胞は、羊膜や胚盤、卵胚嚢などを形成しながら根を下ろすように成長。
赤ちゃんの成長と同時進行で、ママの体から栄養や酸素を供給してもらうべく、胎盤を作る準備に取り掛かっていきます。

妊娠反応が出る

着床から約10日で妊娠反応が出始めます。
まずは、生理周期を1週間過ぎても生理が起こらなかった場合に、妊娠検査を行ってみるのが良いでしょう。

あまりに検査をするのが早すぎると、ホルモンが上手く検出されないことがあります。
また、正常に妊娠しているのか確かめる必要もあるため、妊娠検査はあまり遅すぎてもいけません。

ここから、ママと赤ちゃんの妊娠生活がスタートします。
まずは数々の難所を乗り越えて、ママのお腹に宿った命を祝福し、長い妊娠期間をママとパパの二人三脚で過ごしていきましょう。

妊娠の仕組みQ&A

これから赤ちゃんを迎えたいと考えている人には、まだまだ疑問に思うことがたくさんあるでしょう。多くの人が疑問に感じるポイントについて解説していきます。

精子や卵子の寿命はどれくらい?

一般的に、卵子の寿命は6~24時間。精子の寿命は2~3日と言われています。
それぞれに個体差があるため、36時間の生存が可能な卵子や、5日以上生き延びる精子もいると言われています。

それぞれ、寿命が尽きると受精機能は失われてしまうためタイミングが重要です。
特に、卵子は最近の研究により寿命と受精可能時間が異なることが分かってきています。

卵子の受精可能時間は排卵から6~8時間とも言われており、赤ちゃんを迎えるためには、的確なタイミングでの性交渉が欠かせないと言えるでしょう。

排卵が起こる前日と当日に性交渉を行うと、精子と卵子が出会いやすと言われています。

着床したサインはある?

着床した際、極少量の出血を起こす「着床出血」という現象が起きる場合があります。
生理とは異なり、極少量の出血が短期間だけ続くものです。

しかし、着床出血を起こす割合は25%以下と言われています。割合でいうと着床出血が起きないママの方が多いということを覚えておきましょう。

着床が完了すると、体は妊娠を継続させるためにホルモンを大きく変化させます。
着床後10日位経つと、妊娠超初期症状と呼ばれる体の変化を感じるママもいます。

どれ位の期間妊娠しなかったら不妊というの?

避妊をせずに妊娠しやすいタイミング狙って性交渉を行っている場合、1年以上妊娠に至らないと不妊が疑われます。

生殖機能に何らかの問題があることも考えられるため、パートナーと2人で一緒に検査を受けてみるのが良いでしょう。

不妊に悩むカップルは10組に1組と言われていますが、晩婚化の進む昨今では、もっと多くのカップルが不妊に悩んでいると考えられます。
1年間、妊活に取り組んでみても赤ちゃんがやってきてくれないのであれば、産婦人科もしくは婦人科にて相談してみるのがおすすめです。

妊娠する確率を上げる方法はあるの?

妊娠する確率を上げる方法はあるの?

妊娠を希望する場合、排卵に合わせたタイミングで性交渉を行うことが重要です。
排卵のタイミングは、基礎体温や排卵検査薬を利用して予測することができます。

ホルモンの変動により女性の基礎体温には大きな変化が現れます。
継続的に基礎体温を計測することで、排卵のタイミングを予測しやすくなるでしょう。

また、排卵に伴い多く分泌されるLH(黄体ホルモン)を尿中から検出して、排卵のタイミングを予測する排卵検査薬もおすすめです。
基礎体温が安定し難く、排卵日が予想できない場合は、排卵検索を使用するのが良いでしょう。

赤ちゃんを望む場合は事前に排卵の有無や精子の量や質についての検査をしておくことも検討してみて下さい。
1年間妊活を頑張った挙句、検査をしてみると排卵が行われていなかった、というケースや精液に問題があったというケースも珍しくありません。

妊娠を希望するならやっておきたい4つのポイント

赤ちゃんを迎えたいと考えているなら、妊娠の仕組みについて知っておくことがとても大切です。
しかし、それ以外にもパートナーと二人で取り組んでおくと良いポイントがいくつかありますので、ご紹介します。

規則正しい生活習慣を心掛ける

妊娠に必要なホルモンは、ストレスや過労などで簡単に乱れてしまいます。
排卵を促すホルモンや、子宮内膜を厚くして受精卵が着床しやくするホルモンも同様です。

まずは、十分な休息とバランスの取れた食事、適度な運動などを取り入れて規則正しい生活を心掛けましょう。

規則正しい生活は、女性だけでなく男性にとっても大切なもの。
妊娠には健康で生命力の強い精子も必要です。
精子の質は、睡眠不足や暴飲暴食などが原因で低下してしまうことがあります。

パートナーと2人で一緒に規則正しい生活を送るよう心掛けてみて下さい。

風疹の抗体検査を受ける

風疹ウイルスとは、風疹を引き起こすウイルスのことです。
子どもの頃に罹患している人や、予防接種をして抗体を持っている人も多いでしょう。
しかし、この抗体は誰もが必ず生涯保ち続ける訳ではありません。

妊娠しているママが風疹に罹ると、お腹の赤ちゃんに母子感染を引き起こしてしまい「先天性風疹症候群」という病気を引き起こすリスクがあります。
先天性風疹症候群にかかった赤ちゃんは、難聴や心疾患、白内障、緑内障、心身の発達に遅れが見られる頻度が多いと言われています。

ママが風疹に罹る時期によって赤ちゃんに感染する確率も大きく変化するのが特徴です。
妊娠4~6週にママが風疹に罹った場合、ほぼ100%の確率で母子感染を起こすとも言われています。

中には、パパが風疹に罹りママへ移してしまい、さらに母子感染を起こすというケースもあります。
妊娠を希望した段階でパートナーと二人で風疹の抗体検査を行うのが理想的。
先天性風疹症候群は、予防接種で避けられる病気です。
これから授かる赤ちゃんを守るためにも、風疹の抗体検査を受けましょう。

禁煙をする

喫煙は、お腹の赤ちゃんへ大きく影響します。
流産や早産を早めてしまうだけでなく、赤ちゃんが低体重児になってしまう原因とも考えられています。

また、妊娠中のママが1人で禁煙をしても、パパが近くで喫煙するとタバコの煙によって受動喫煙をしてしまいます。
受動喫煙でも、赤ちゃんにとってはママが喫煙しているのと同等のリスクがあると考えられます。

ヘビースモーカーの人にとって、禁煙は大変なことでしょう。
しかし、お腹に宿る赤ちゃんを守れるのは未来のママとパパだけです。
赤ちゃんが元気に育ち生まれてきてくれる事を想像して、夫婦で禁煙に取り組んでみてはいかがでしょうか。

葉酸を摂る

ママは妊娠中、たくさんの栄養素が必要です。
その中でも、妊娠1ヶ月前から積極的に摂取することが推奨されている栄養素が葉酸です。

葉酸には、健康な赤血球の形成や赤ちゃんの発育に欠かせないビタミンB群が含まれています。
これらの栄養分を妊娠中から十分に摂り入れておくことで、赤ちゃんが成長する過程を手助けしてくれるのです。

特に、妊娠初期の赤ちゃんは生命の維持に不可欠な脳や神経、細胞などが急速に発達します。ママが妊娠前から葉酸を充分に摂取しておくことで、初期の成長をサポートし、新生児障害や先天異常のリスクを軽減できるという研究結果も発表されています。

葉酸は精子の染色体異常リスクを抑える可能性があることも徐々に分かってきました。赤ちゃんを迎える前から、パートナーと一緒に葉酸を積極的に摂り入れるように心がけてみて下さい。

まとめ

赤ちゃんを迎えるに当たって知っておきたい妊娠の仕組みについて紹介してきました。
排卵、受精、着床の3つのプロセスを経て、はじめて赤ちゃんがママのお腹にやってくることが分かりましたね。

赤ちゃんを望むなら、これらの工程を踏まえて、適切なタイミングでの性交渉が欠かせません。
また、妊娠前から生活習慣の改善などに取り組むことで、妊娠や赤ちゃんの発育をサポートできることもあります。
2人で手を取り合って赤ちゃんをお迎えする準備をしてみて下さいね。

当院でも、ホルモンバランス検査、排卵日チェック、内服剤による排卵誘発の対応が可能ですので、ご相談にいらしてください。

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この記事の監修
エナみらいグループ総院長 宿田 孝弘
宿田 孝弘
エナみらいグループ総院長
札幌・石狩の産婦人科「エナレディースクリニック」の宿田です。母と子に優しいお産、女性が求める医療がエナにはあります。札幌・石狩市での出産や婦人科疾患のお悩みなど、お気軽にご相談ください。