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妊娠週数・月数の数え方や計算方法とは?出産予定日の出し方もご紹介

医療法人みらいグループ
妊娠週数・月数の数え方や計算方法

妊娠してお腹に新しい命が宿っていることを知ったママの多くは、出産するその日を心待ちに月日を数えることでしょう。
しかし、中には「思っていた妊娠週数と医師に伝えられた出産予定日が違う」と疑問を感じるケースも。

ママの体のことや、お腹の赤ちゃんの成長度合いを知るためにも妊娠週数の計算方法や数え方を学んでおくと良いでしょう。
この記事では、出産予定日を計算する方法や妊娠週数ごとの区分なども解説。妊娠週数について知りたいママやパパはぜひ参考にしてみて下さい。

妊娠週数(月数)を数える方法

妊娠週数とは、妊娠の経過を数える単位のことです。妊娠の経過の数え方には妊娠週数と妊娠月数があります。
ここで知っておきたいのは、妊娠週数は満で、妊娠月数は数えでカウントするということ。

つまり、妊娠1日を迎えた時点では妊娠0週目1日、妊娠1か月になります。

これらの原則を押さえた上で、排卵日から計算する「受精後胎齢」と最終月経初日から計算する「月経後胎齢」の考え方について解説していきます。

排卵日から計算する【受精後胎齢】

排卵日から妊娠週数を計算する方法を受精後胎齢と言います。排卵したその日を妊娠2週0日として数える計算方法です。

ただし、受精後胎齢で計算するには排卵日を確定している必要があります。基礎体温や排卵検査薬などを使って排卵日が確定されている場合にしか使えない計算方法なので、あまり一般的な数え方とは言えません。

そのため多くの場合、次に紹介する月経後胎齢で妊娠週数や妊娠月数を計算します。

最終月経の初日から計算する【月経後胎齢】

妊娠前の最終月経初日から妊娠週数を計算する方法を月経後胎齢と言います。
この場合、月経が終わった日から計算するのではなく、月経の初日を妊娠0週1日とするので注意しましょう。
妊娠が発覚する直前の生理時期さえ分かれば計算できるため、現在医療機関などでもメジャーな計算方法として用いられています。

出産予定日を計算する方法【ネーゲレ概算法】

妊娠週数が分かれば、出産予定日を計算することもできます。

妊娠期間は一般的に10ヵ月(妊娠40週0日)を目安とします。
単純に1日ずつ数えるという訳ではありません。生理周期を28日とし、これを1ヵ月と換算して計算していくのでやや複雑になります。

そこで活躍するのがネーゲレ概算法という出産予定日の計算方法です。
ネーゲレ概算方法では以下のように出産予定日を算出します。

■出産月
最終月経が1~3月の場合は+9
最終月経が4月以降の場合は-3
■出産日
最終月経初日に+7

上記の方法で出産予定日を算出することができます。

■(例)1月1日が最終月経初日の場合
出産月…1+9=10月
出産日…1+7=8日
出産予定日…10月8日
■(例)4月1日が最終月経初日の場合
出産月…4-3=1月
出産日…1+7=8日
出産予定日…(翌年の)1月8日

簡単に出産予定日が算出できるので、最終月経初日が分かる方は計算してみてはいかがでしょうか。

生理不順や最終月経日が分からない時の妊娠週数計算方法

これまでに紹介した数え方や計算方法は、生理周期が28日の人を基本とした考え方です。そのため、生理周期が28日でない人の場合には誤差が出てくるでしょう。

また、生理周期が不安定で最終月経初日が分からない人も妊娠数週の計算ができません。

そんな時は、エコー検査でお腹の赤ちゃんの成長具合や大きさから妊娠週数を確定します。
生理周期が28日ではない人や、最終月経初日が分からない人は、まず産婦人科を受診して医師に妊娠週数を判断してもらうのが良いでしょう。

妊娠検査はどれ位の妊娠週数で受ける?

妊娠週数の計算で気になるのが「何週目頃に妊娠検査をすればよいの?」という疑問です。

妊娠検査薬では、最終月経初日から数えて4週間後から検査可能とされているものが多くあります。これは、妊娠中にだけ分泌されるヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)というホルモンを検知するためです。
個人差はありますが、妊娠している場合検査薬で十分に検知できるhCGが放出される目安が妊娠4週目以降とされています。

ただし、妊娠検査薬だけでは子宮外妊娠などの異常妊娠を判断することができません。エコーなどで胎児の様子を確認してはじめて、正常な妊娠の判断ができます。

異常妊娠の場合、ママの体にも多大なリスクが発生します。そのため、市販の妊娠検査薬で妊娠が発覚した場合でも、速やかに産婦人科で妊娠検査を受けるようにしましょう。

妊娠週数ごとの妊娠区分・出産区分

妊娠週数と同じく妊娠の経過を数える際に用いられるのが、初期や中期・後期といった時期ごとの区分です。
また、出産が近付いてくると出産時期ごとの区分もあります。

続いては妊娠週数と合わせて知っておきたい妊娠区分・出産区分について見ていきましょう。

妊娠区分

妊娠中は、妊娠0~15週(妊娠1~4ヵ月)を妊娠初期。妊娠16~27週(妊娠5~7ヵ月)を妊娠中期。妊娠28週以上(妊娠8ヵ月以上)を妊娠後期と言います。

妊娠区分

時期ごとに過ごし方の目安や注意点などがあるため、妊娠区分ごとの特徴などについて知りたい人は以下を参考にしてみてください。

出産区分

出産に関しても、区分がありお腹の赤ちゃんがしっかりと成長し外界でも生きられる体になる時期を正産期と言います。この、正産期を基準として、正産期以前の出産を早産、正産期を超過すると過産期と呼びます。

早産、正産期、過産期の妊娠週数は以下のとおりです。

早産 妊娠22週0日~36週6日
正産期 37週0日~41週6日
過産期 42週0日~

 

過産期を過ぎると、赤ちゃんが大きくなり過ぎて自然分娩が困難になったり、赤ちゃんが胎内で過ごすのが困難になるため誘発分娩や帝王切開など、医療が介入して出産するケースが多くなります。

妊娠週数の計算に関する疑問

妊娠週数の計算に関する疑問
最後に妊娠週数(妊娠月数)の数え方に関する疑問について解説します。

妊娠2~3週は妊娠していない

妊娠週数を計算する場合、生理周期を28日として算出します。最終月経初日を0週1日目とするため、実際にこの時期は着床どころか排卵さえもしていません。

受精卵が着床してはじめて妊娠が成立しますが、妊娠週数や妊娠月数を計算する場合は妊娠していない時期も遡って数えます。

性交した日は受精日ではない

妊娠週数を誤って計算している人の中でよく聞かれるのが、性交した日を妊娠0週0日としているケースです。
排卵したタイミングで性交したからといって、その日に受精する訳ではありません。また、現代の医療科学では受精日の特定までは難しいと言われています。

妊娠週数を計算する際は、最終月経開始を0週0日(初日を0週1日)とします。ホルモンによる女性の心や体の変化を管理する意味でも大切な情報なので、普段から基礎体温などを記録する習慣をつけておくことがおすすめです。

妊娠0ヵ月は存在しない

妊娠週数は数え週数、妊娠月数は満月数でカウントされます。そのため、妊娠初期では「0週1日」などの表現が用いられますが、「妊娠0ヵ月」と表現することはありません。

妊娠0週1日~3週6日までを妊娠1ヵ月、4週0日からは妊娠2ヵ月となります。

妊娠期間は十月十日ではない

妊娠期間と聞くと十月十日をイメージする人も多いでしょう。そのため、妊娠週数に10ヵ月10日を足して計算したものの、病院などで示された出産予定日と合わないことに疑問を感じる人も少なくありません。

十月十日とは、周産期医療が現代ほど発展していない中、妊娠期間の目安として用いられていた言葉です。
また、10ヵ月と10日を表すものではなく、初産なら予定日よりも遅れることが多いということで10ヵ月に10日を足した十月十日とされたという説もあります。

現代では1ヵ月を生理周期である28日として、10ヵ月(280日)が妊娠期間の目安とされています。

出産予定日に産まれる確率は2%程度

妊娠週数から出産予定日を算出すると、その日に赤ちゃんが産まれてくると思うママやパパもいますが、あくまで目安です。
実際に出産予定日丁度に赤ちゃんが生まれる確率は2%程度と言われています。

また、出産予定日丁度に生まれる確率は少なくても、数日の誤差で生まれるのだろうと思う人も多いでしょう。
実はこれも確実なものではなく、分娩週数を調査した結果(※)38週で出産しているママが最も多いという結果が出ています。

これらは妊娠週数を計算する際、生理周期である28日を1カ月として換算しているためです。
もちろん、生理周期が28日よりも多かったり少なかったりする程、誤差は大きくなっていきます。

出産予定日はあくまで目安として、ゆったりとした気持ちで赤ちゃんを見守りながら生まれてくるその日を待ちましょう。

(※)参照:日本産科婦人科学会雑誌第73巻第6号 (kyorin.co.jp)

まとめ

妊娠の経過に合わせた生活を送るためにも大切な妊娠週数や妊娠月数。正しい計算方法や数え方を知っておくことが大切です。
正しい妊娠週数や計算方法を知り、お腹の赤ちゃんとその時期に適した健やかな生活を送りましょう。

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この記事の監修
エナみらいグループ総院長 宿田 孝弘
宿田 孝弘
エナみらいグループ総院長
札幌・石狩の産婦人科「エナレディースクリニック」の宿田です。母と子に優しいお産、女性が求める医療がエナにはあります。札幌・石狩市での出産や婦人科疾患のお悩みなど、お気軽にご相談ください。