
妊娠しやすいタイミングは、一般的に排卵日の2日前から前日ごろとされています。ただし排卵日は毎周期同じとは限らないため、月経周期や基礎体温、排卵検査薬などを組み合わせて予測することが大切です。
妊活を始めるファーストステップとして実践されるのが、「タイミング法」。タイミング法は排卵日付近のタイミングを選んで性交を行い、妊娠の確率を高める方法です。
今回は、妊娠を希望していたり、妊活を始めたりするなら知っておくべき排卵日について解説します。排卵日の意味や排卵が起こるメカニズム、排卵日の妊娠確率なども紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
排卵日とは
排卵日とは、成熟した卵子が卵巣から排出される日のことです。排卵は月経周期のなかで起こるもので、周期が安定している場合、次回生理予定日のおよそ14日前が排卵日にあたることが多いとされています。排卵のタイミングには個人差があり、排卵日周辺の時期を「排卵期」と呼びます。
排卵が起こるメカニズム
排卵日を理解するには、月経周期全体の流れのなかで、排卵が起こる仕組みを知っておくことも重要です。
卵子とは

卵子とは、女性が持つ生殖細胞の一種です。女性の卵巣には、卵子の元となる原始卵胞と呼ばれる生殖細胞があり、ホルモンの影響を受けておよそひと月に1つの卵子が成熟します。
成熟した卵子が卵巣から排出されることを排卵と言い、排卵された卵子は卵管に取り込まれ、精子と出会い受精すると子宮へ移動して着床します。受精卵が子宮に着床することで、妊娠が成立します。
女性が持つ卵子の数
卵子の元となる原始卵胞は、産まれた時から数が決まっており、成長してもその数が増えることはありません。妊娠20週の時点で卵子の元となる原始卵胞の増加はピークを迎え、出生時には平均200万個を持って産まれてくると言われています。
やがて、成長と共に原始卵胞の数は減少し、初潮を迎える頃には約20〜30万個まで減り、月経が始まってからは毎月1,000個ほどの原始卵胞が消滅していくことが分かっています。
毎月1,000個のうちの1つだけが卵子として成熟し、排卵されるのです。
女性が一生涯で排卵する卵子の総数は400~500個程度です。原始卵胞の数が約1,000個以下になると、女性は閉経を迎えます。
月経周期と排卵

月経周期とは、月経が始まり、次の月経が始まる前の日までの周期を指します。月経周期は主に以下のようにわけられています。
| 月経期 | 月経が起きている時期 およそ3~5日間かけて、子宮内膜を経血として排出する |
| 卵胞期 | 原始卵胞が成長している期間 卵胞刺激ホルモンが分泌され原始卵胞の成熟が進む 卵胞刺激ホルモンはエストロゲンを産生し、排卵に備える |
| 排卵期 | 成熟した卵子が排卵される期間 エストロゲンの分泌がピークに達し、一時的に黄体形成ホルモンが大量に分泌されることで排卵が起こる |
| 黄体期 | 子宮内膜が徐々に厚くなり妊娠に適した状態を維持する期間 エストロゲンの分泌量が減り、プロゲステロンの分泌量が増える 体温が上がり、子宮内膜を厚く育て、受精卵が着床しない場合はおよそ14日で月経期を迎える |
月経周期のなかでも、卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンが排卵に大きく関わっています。
基礎体温の変化と排卵

基礎体温とは、人間が生きる際に必要最小限のエネルギーを消費している時の体温を指します。女性は、月経周期に合わせて基礎体温にも変化がみられます。
基礎体温は大きくわけて低温期と高温期に分けられるのが特徴です。月経が始まると基礎体温はおよそ0.3~0.5度低下し低温期に突入します。個人差はありますが排卵のタイミングで体温が大きく低下した後、再び上昇し高温期へと移行します。
排卵した卵子が受精・着床して妊娠が成立すると高温期を維持しますが、妊娠が成立しない場合は再び低温期に移行して月経が始まるのです。
基礎体温はホルモンにも大きな影響を受けており、卵胞ホルモンであるエストロゲンには体温を下げ、黄体ホルモンであるプロゲステロンには体温を上げる働きがあります。排卵の際のホルモンの変化によって、基礎体温も変化しています。
排卵期にみられる女性の体の変化

個人差はありますが、排卵期には以下のような体の変化を感じる女性も多くいます。
下腹部痛
排卵の際に、下腹部にチクチクした痛みを感じる人もいます。これは、いわゆる「排卵痛」と呼ばれており、我慢できる位の痛みが数時間から2日ほど続く人が多いようです。
眠気
排卵期に強い眠気を感じる人もいます。これは、エストロゲンが急激に減少し、プロゲステロンが急増することが影響していると考えられます。プロゲステロンには副交感神経を優位にする働きがあるため、倦怠感や眠気につながりやすいのです。
おりものが変化する
排卵期の変化のなかで、多くの女性が感じているのがおりものの変化です。通常は透明でサラサラしたおりものが、排卵期には粘りのある卵白のような形状に変化します。
排卵日を知る方法

妊活をしていると、自分自身の排卵日を知りたいと思う人もいるでしょう。排卵日を知ることができるいくつかの方法を紹介します。
月経周期から計算する
月経が定期的に起こり、周期が安定している人は月経周期から計算して排卵日を推測できます。
個人差が大きくストレスや自律神経の影響を受けやすい卵胞期に比べ、黄体期の日数は安定しており約14日です。
もちろん、個人差はあるため黄体期はおよそ11~17日間で正常と言われています。上記の計算で必ずしも排卵日を算出できる訳ではありませんが、生理周期が約1ヶ月で安定している人の場合、高い確率で排卵日を推測できると考えられています。
基礎体温から推測する
基礎体温表をつけることで、排卵日を推測することもできます。
高温期と低温期の境目となるタイミングで排卵している可能性が高いため、基礎体温の計測を毎日の習慣にして記録してみるとよいでしょう。
〇基礎体温を計測するポイント
- 基礎体温計(婦人体温計)を使用して計測する
- 舌下で計測する
- 毎朝起きたらできる限り動かず横になったまま計測する
- 最低4時間以上眠った後に計測する
妊活をしている人にとって、基礎体温は非常に重要な情報になります。排卵の有無や月経のタイミング、妊娠の可能性なども知ることができます。
排卵検査薬から推測する
排卵検査薬は、尿中の黄体形成ホルモンの濃度をみて、排卵のタイミングを予測する検査薬です。
月経周期や基礎体温からおおよその排卵期を把握したうえで使うのが基本です。陽性反応が出たら、排卵が近いサインと考えられます。
ただし、あくまで尿中の黄体形成ホルモンを検知しているだけなので、「実際に排卵したかどうか」までは正確には分かりません。その点を知っておくと安心です。
〇排卵検査薬を使用するポイント
- 排卵期付近の数日間に連続して使用する
- 毎日同じ時間に検査をする
- 妊娠を希望している場合、陽性反応の前後に性交をするのが望ましい
排卵しそうなタイミングを知ることができるため、妊活をしている人にとっては性交のタイミングをとりやすくなるでしょう。ただし、月経不順な人や月経周期が把握できていない人の場合、使用のタイミングが難しいため注意してください。
おりものの変化から推測する
排卵期にエストロゲンの分泌量が急増すると、おりものは卵白のような「のびおり」に変化します。
明らかにおりものの量が増えたと感じる女性も多く、指で触ると数cmほど伸びる強い粘性を持っていることが多いです。
色は透明もしくは乳白色で、においは特にありません。
おりものの変化を注意深く観察することでも、排卵のタイミングを知ることができます。
卵子の成長具合から推測する
不妊治療を受けている場合、超音波エコーによって卵巣内の状態を確認し、卵子の成長具合から排卵日を予測することもあります。
医療機関を受診しなければできない方法ですが、排卵の有無を高い確率で確認することができます。
排卵日前後の妊娠確率
妊活を始めたばかりの人のなかには「排卵日に性交をすれば妊娠するのではないのか?」と考えている人も少なくありません。
しかし、実際は排卵日に性交して妊娠する確率は20~30%と言われており、それほど高くありません。ここには、卵子と精子の寿命が関係しています。
卵子の寿命は排卵後約24時間、精子の寿命は3~5日間程度です。この寿命の関係から、妊娠しやすいのは排卵後よりも排卵前と考えられており、一般的には排卵の2日前から前日に性交のタイミングをとることが、もっとも妊娠する可能性が高いとされています。
ただし、妊娠には排卵のタイミングだけでなく、精子や卵子の状態などさまざまな要因が関係するため、排卵日に性交したからといって必ず妊娠するわけではありません。
排卵日に関するよくある質問
最後に、排卵日に関するよくある質問を紹介します。疑問を解消して、排卵日の推測や妊活の参考にしてみてください。
排卵日はどうすればわかる?
月経周期からの計算、基礎体温表、おりものの変化、排卵検査薬などで調べることができます。
不妊治療を受けている場合、超音波エコーで卵子の成熟度を確認し、排卵予定日を推測するケースもあります。
排卵日に性交すると妊娠する?
排卵日に性交したからといって、必ず妊娠する訳ではありません。
卵子は24時間、精子は3~5日の寿命があるうえ、卵子や精子の質によっても受精する確率は変わります。
妊娠しやすいタイミングは排卵日の前?排卵日の後?
排卵日の2日前から前日にかけて性交のタイミングをとることが、妊娠の可能性を高めるとアドバイスしているクリニックも多いようです。
可能であれば、排卵日の前に複数回タイミングをとるのが望ましいでしょう。個人差もあるため、参考程度に性交のタイミングを考えることが大切です。
まとめ
今回は、妊娠しやすいタイミングや排卵日について詳しく解説しました。
女性は初潮を迎えて以降、定期的に月経や排卵のある生活を送っていますが、そのメカニズムや卵子の寿命について、実はあまり知らないという人は少なくありません。
妊活を考えているなら、男性の体・女性の体・生殖のメカニズムを、パートナーと一緒に知っていくことも一つのステップです。お互いに理解を深めながら、妊娠・出産という目標に向けて歩んでいくことが大切です。
排卵日や月経周期には個人差があり、ご自身で正確に把握することが難しい場合もあります。当院では、ホルモンバランスの検査や排卵日のチェックを実施しておりますので、お気軽にご相談ください。
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