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胎動はいつから?どんな感じ?激しくても大丈夫なの?

医療法人みらいグループ
胎動はいつから?どんな感じ?激しくても大丈夫なの?

赤ちゃんの存在を強く感じることのできる胎動。初めての胎動を心待ちにして「胎動ってどんな感じなの?」「いつ頃初めての胎動があるの?」と気になっているママも多いでしょう。

この記事では、胎動を感じる時期や胎動の感じ方、胎動にまつわる迷信や噂、危険な胎動の特徴についても紹介しています。

「なかなか初めての胎動を感じられなくて不安」
「これって胎動?どれが胎動なのか分からない」
「この胎動は普通?医師に相談するべき?」

胎動に関する不安や疑問を感じているママは是非参考にしてみて下さい。

胎動はいつから始まっているの?

胎動とは、ママの胎内で赤ちゃんが動くこと。
ある程度大きくなってきたお腹の中からある日突然ポコンとお腹を蹴られるイメージが強いですが、実はママが胎動を感じるずっと前から赤ちゃんは胎動を繰り返しています。
赤ちゃんが胎動を始めるのは妊娠8週頃。小さな手足をもぞもぞと動かして胎動を始めています。

まだまだ力も弱く子宮内に満ちている羊水の中でプカプカ浮いている状態なので、ママが気付くことはありません。
しかし、超音波検査で確認すると動いている様子が確認できることもあります。

ママが胎動を感じるのはいつから?

初めて胎動を感じる時期
胎動を感じるようになるまでは赤ちゃんの存在を感じるのが難しく、不安になるママも少なくありません。早く胎動を感じて、赤ちゃんがお腹で動くのを実感したいですよね。
小さな赤ちゃんの動きをママが感じるようになるのはいつ頃なのでしょうか。

初めて胎動を感じる時期

ママが初めて胎動を感じる時期は、早い人で妊娠4ヶ月頃から。遅くとも妊娠7ヶ月頃までには胎動を感じるママが多いようです。このように初めて胎動を感じる時期には個人差があります。
中でも最も多くのママが初めての胎動を感じた時期が5~6ヶ月頃。骨格がしっかりし始め、筋肉もつき始めるので手足をしっかりと曲げ伸ばし出来るようになる頃です。

赤ちゃんの胎動は、ママが気付く程の強さで手足を動かせるようなり、子宮の壁まで手足が届くようになった成長の証でもあります。

胎動を感じやすい人と感じにくい人の違い

初めて胎動を感じる時期については個人差がとても大きいと解説しましたが、この個人差は赤ちゃんの成長以外にもママに関する個人差でも違いがあります。

ママがやせ型で皮下脂肪が少ない人は、その分胎動の衝撃を感じやすいでしょうし、羊水が少なめな人も赤ちゃんが子宮の壁に届きやすい傾向があるので胎動を感じやすい場合があります。
その他、初めての胎動はとても力の弱いものなので、ゆっくりしている時間を多く取れるママの方が気付きやすい傾向にあります。日中お仕事をして忙しく過ごしていると、少々の胎動では中々気付くのが難しいでしょう。

胎動を感じるのが遅くても大丈夫

中々初めての胎動を感じることができないと「赤ちゃんはちゃんと成長しているの?」と心配になるママも多いでしょう。
胎動を感じることで赤ちゃんの状態を多少知ることはできますが、健康に成長しているかどうか確認できるのは超音波検査や胎児心拍監視装置などを使った医師の健診だけです。

つまり胎動を感じるのが早くても遅くても問題はなく、大切なのは定期健診をキチンと受けて毎回赤ちゃんの成長を医師に確認してもらうということ
そもそも赤ちゃんの胎動を100%とした時、ママが感じる胎動はたった40%だけです。胎動を感じるのが遅くても健診で赤ちゃんの健康を確認できていれば大丈夫なのでゆっくりと赤ちゃんのペースを見守りましょう。

胎動を感じやすいタイミング

赤ちゃんはママがリラックスしているタイミングに胎動することが多い傾向にあります。
就寝前や、食事の前後など気持ちがゆったりとしたタイミングに感じやすいかもしれません。

赤ちゃんはお腹の中で起きたり眠ったりを繰り返しています。特に最初の内は外の時間に関係なく、眠っている時間の方が長いのも特徴です。
そんな赤ちゃんも30週を越える頃には起きている時間が長くなって、一日の活動サイクルが出来上がってきます。

赤ちゃんが大きくなるにつれて「この時間帯になると胎動が多いな」と気付くことがあるでしょう。
胎動の多い時間帯には、横になったり椅子に座ったりして静かな状態で胎動を感じてみても良いですね。

【妊娠時期別】胎動の感じ方

胎動の感じ方は人それぞれです。気泡が弾ける感じだという人がいれば、ニョロニョロと何かが動く感じだという人も。さらに妊娠の時期別に胎動の感じ方も変化していきます。

妊娠初期

まだ子宮も小さい妊娠初期は、恥骨からおへその下辺りまでの間で胎動を感じやすいのが特徴。
まだ赤ちゃんの力も弱いので、腸の中で空気が動くような感じや小さな魚がお腹をつついているような感覚を覚えるママが多いようです。

妊娠中期

妊娠中期に入ると子宮が大きくなり羊水量も増えて赤ちゃんは活発に動くようになります。
骨格がしっかりして筋肉もついてくるので、力強い胎動を感じやすくなり仕事をしているママもふとした瞬間に胎動を感じることが増えるかもしれません。
赤ちゃんが手足を伸ばすことで、お腹の中からグッと押されるような胎動を感じるママも多いです。
皮下脂肪の少ないやせ型のママは、押された部分のお腹の形が変わって皮膚越しに赤ちゃんの手足が見えることもあります。

妊娠後期

妊娠後期は赤ちゃんの成長と共に子宮の中で動けるスペースが減っていき、ダイナミックな動きは段々と少なくなってきます。手足の力はママが痛みを感じる程に強くなることも。
押されるとお腹が破れてしまいそうだと感じるママや、中には就寝中の胎動にびっくりして起きてしまうママもいます。

赤ちゃんの胎動パターン

赤ちゃんはお腹の中で様々な動きをしていて、胎動は5つの動きのパターンに分けられます。

動きのパターン 特徴
手足の曲げ伸ばし(キッキング) ・やせ型のママの場合、皮膚の上から手足が見えることがある
・妊娠末期になると減少する
指の開閉 ・ママは胎動として感じない
身体の回旋と回転(ローリング) ・妊娠中期までは上下の回転
・左右の旋回も頻繁にある
・妊娠後期になると上下に回転するスペースが少なくなり、左右の旋回が増える
しゃっくり様運動 ・ママが胎動として感じることもある
・30分以上続く場合もある
呼吸様運動 ・赤ちゃんが肺を膨らませたり萎ませたりする
・ママは胎動として感じない

胎動で赤ちゃんとコミュニケーションをとろう

胎動を感じるようになってきたら、お腹の中の赤ちゃんとコミュニケーションをとることも可能です。

赤ちゃんがお腹を蹴ってきたら、返事をするように蹴ってきた部分をトンと叩いてみましょう。これは「キックゲーム」という赤ちゃんとのコミュニケーション方法。繰り返す内にママがお腹を叩いたら赤ちゃんが蹴り返してくれるようになることもあります。

1日1回キックゲームをしてお腹の赤ちゃんとコミュニケーションを楽しむ時間を設けるのがおすすめですよ。

胎動にまつわる迷信や噂

妊娠するとお腹の赤ちゃんにまつわる迷信や噂話を耳にする機会もあるでしょう。その中でも胎動にまつわる迷信や噂話について解説していきます。

胎動が激しいと男の子が生まれるって本当?

「お腹を強く蹴る赤ちゃんは男の子」という迷信がありますが、これは全く医学的に根拠がありません。胎動と性別・性格に関係性はないとされています。
胎動が激しい女の子や胎動が少なめな男の子、胎動が激しい子でも大人しい子供に成長したり、胎動が少なくてもやんちゃな子どもに成長する事もあるでしょう。

ちなみに、性別はエコー検査の際に判別することができます。赤ちゃんの体勢や見え方によって変わりますが、妊娠18~20週に判別できる場合が多いです。
※当院では「22週以降」の先生の妊婦健診(エコー時)で聞かれた場合のみお答えしています。

胎動で気分が悪くなるママがいるって本当?

赤ちゃんの力が強くなるにつれて胎動で臓器が圧迫されて気持ち悪さを感じるママもいます。特に骨格の小さい小柄なママは、大きくなった子宮や胎動の衝撃に内臓が圧迫されやすく気持ち悪さを感じやすいかもしれません。
なるべく食事を小分けにしておく事で吐き気に繋がりにくいよう対策するのがおすすめです。あまりに気分の悪い状態が続く場合には医師に相談してみると良いでしょう。

2人目以降は胎動を感じるのが早いって本当?

実際に2人目以降の妊娠時には胎動を感じるのが早かったという経産婦のママは少なくありません。経産婦のママは1人目の妊娠時に胎動がどういったものか経験していることで、弱い胎動にも気付きやすい傾向にあります。

パパが触ると胎動がなくなるって本当?

お腹の中で元気に動き回っていた赤ちゃんが、パパの手がお腹に触れた瞬間ピタリと止まってしまうという経験をしたママは少なくありません。これは赤ちゃんがパパを怖がっていたり嫌っている訳ではなく、ママと違う存在に気付いてビックリしているだけといわれています。

お腹の中まで聞こえるパパの声や手の体温に驚いて動きを止めてしまっているだけなのです。諦めずにコミュニケーションをとることで、パパも胎動を感じることができるようになるかもしれません。ママとリラックスしている時に、声をかけたり触れたりしながらお腹の中の赤ちゃんにパパの声や体温を覚えてもらいましょう。

臨月になると胎動がなくなるって本当?

出産が近くなると赤ちゃんは骨盤に頭がはまり、動きが制限されることで胎動が少なくなります。
しかし胎動が全くなくなる訳ではありません。中には生まれる直前まで胎動を感じたというママもいるので、臨月の胎動にも個人差は大きいと言えます。
臨月であっても胎動が全くなくなる訳ではないので、赤ちゃんの胎動がなくなったと感じた際には注意が必要です。

胎動が急になくなったら要注意!危険な場合と確認方法

定期的に感じていた胎動がピタリと感じられなくなった時、お腹の中では大変なことが起きている可能性もあります。危険な場合や確認方法について紹介します。

急に胎動がなくなるのは異常のサインである場合も

赤ちゃんは30~60分ずつ起きている状態と寝ている状態を繰り返します。そのため1時間以上胎動がない場合には、お腹の中で危険な状態になっていることも。
1時間安静にしていても胎動を感じない場合には、お腹の上から優しく叩いて刺激を送ってみましょう。
眠っていた赤ちゃんが目覚めて胎動を返してくれる場合もあります。

それでも胎動を感じない場合には、速やかにかかりつけ医に連絡をして受診しましょう。

「眠っているだけかもしれない」「自分が胎動に気付かなかったかもしれない」と受診を迷ってしまうママもいるでしょうが、受診して赤ちゃんが元気な事が確認できれば何も問題ありません。万が一赤ちゃんが苦しい思いをしていたら、と考えて1時間胎動がなければ躊躇せず受診しましょう。

胎動がなくなった時考えられる異常事態

定期的にあった胎動が急になくなった場合や、胎動が急激に弱くなったと感じた場合には赤ちゃんが低酸素になっている胎児仮死状態の可能性があります。
胎盤が何らかの原因で正常に働かなくなったり、へその緒が首に巻き付くことで赤ちゃんへ正常に酸素が送れない状態になっているのかもしれません。
胎動の消失以外にも出血や強いお腹の痛みを伴う場合、常位胎盤剥離の危険性も。
もしも赤ちゃんに異常が起きている場合、早期受診できれば緊急帝王切開により赤ちゃんの命を助けることができる場合があります。

胎動に異常を感じた際の迅速な受診は、赤ちゃんの命を守るための大切な行動です。

胎動の確認方法【胎動カウント】

胎動を確認する際におすすめなのが胎動カウント。胎動カウントでは10回の胎動を感じるまでにかかる時間を計測します。
横になった状態やリラックスできる体勢で安静にしながら胎動の回数を数えましょう。ボコボコっと連続で胎動を感じた場合にも1回とカウントします。

多くの場合早くて10分、遅くても40分以内に10回を数え終わりますが、10回を数えるのに1時間以上かかる場合には産婦人科に電話して相談してみると良いでしょう。
妊娠30週を過ぎ定期的に胎動を感じるようになったら毎日の習慣にするのがおすすめです。

今しかできないコミュニケーションを楽しんでみて

まだ見ぬ赤ちゃんの存在を強く感じられる胎動。心待ちにしつつも、焦らずに初めての胎動を待ちましょう。
胎動は妊娠中にだけ感じられる赤ちゃんとのコミュニケーションと言えます。
この時期だけの特別なコミュニケーションを楽しんでみてはいいかがでしょうか。

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この記事の監修
エナみらいグループ総院長 宿田 孝弘
宿田 孝弘
エナみらいグループ総院長
札幌・石狩の産婦人科「エナレディースクリニック」の宿田です。母と子に優しいお産、女性が求める医療がエナにはあります。札幌・石狩市での出産や婦人科疾患のお悩みなど、お気軽にご相談ください。