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妊娠初期の腹痛は大丈夫?いつまで続くの?原因と注意すべき痛みを知ろう!

医療法人みらいグループ
妊娠初期の腹痛は大丈夫?いつまで続くの?原因と注意すべき痛みを知ろう!

妊娠初期はママの体にはさまざまな変化があります。時には体の変化やSOSのサインが腹痛として現れる場合も。
腹痛が起こると「赤ちゃんは無事?」と心配になることでしょう。妊娠初期は特に危険な腹痛と、そうでない腹痛を慎重に判断して対処する必要があります。

この記事では、妊娠初期に起こる腹痛について徹底解説しています。痛みから考えられる原因や受診の目安、自宅で安静にする際の方法なども紹介します。妊娠初期の腹痛を感じて不安なママは参考にしてみて下さい。

妊娠初期の腹痛は多くのママが体験

妊娠初期とは、15週目までの時期を指します。この時期、ママの体の中ではたくさんの変化が起こり、子宮内で赤ちゃんを育てていける状態に変わっていく真っ最中。そのため、色々なトラブルが起こりやすいものです。

腹痛もその一つで【チクチクする・ズキズキする・キューっとする】といった痛みを感じるママが多いです。妊娠初期は腹痛を感じるママが特に多く、その大半は心配のないものであることも多いでしょう。

しかし、中には赤ちゃんやママの命に係わる症状が起因の場合もあります。

【腹痛はSOSの場合も】妊娠初期は流産が起こりやすい

妊娠初期の腹痛で、ママが最も心配に思うのは赤ちゃんが無事かどうかでしょう。実際に、妊娠全体の15%程の確率で流産が起こり、12週までの早期流産が大半を占めています。

妊娠12週までは、染色体異常などが原因の早期流産が起こりやすく、医療が介入しても手立ての無いケースが多いのが特徴です。その他にも、異所性妊娠(子宮外妊娠)や絨毛膜下血種など、赤ちゃんやママの命に係わる症状が原因で痛みを感じることもあります。

妊娠初期は腹痛が起こりやすいため「いつもの腹痛か」と思っていた所、深刻な症状のSOSだったというケースも珍しくありません。
腹痛を感じても無事出産までたどり着くママが殆どなので、心配のし過ぎはストレスの原因にもなるでしょう。
しかし、妊娠初期のママは特に自分の体からのサインを敏感にキャッチするよう心掛けておいてください。

妊娠初期に起こりやすい腹痛の種類と考えられる原因

妊娠初期に起こりやすい腹痛の種類と、その痛みから考えられる原因について紹介していきます。ただし、痛み方には個人差があります。腹痛を感じているママは、あくまで判断の目安として参考にして下さい。

左右片側が引きつるような痛み

左右の片側が引きつるような痛みは、子宮が大きくなる際に起こりやすい痛みの一つです。赤ちゃんの成長と共に子宮は大きく、重くなります。その子宮を支えている靭帯が引き伸ばされて痛みを感じるようです。

特に体をひねる動きをした際に、左右のどちらか片側にピリッとした引きつる痛みを感じるママが多いと言われています。出血を伴っていない場合や、思わずうずくまるような痛みでない場合は、しばらく安静にして様子をみてみましょう。

生理痛に似てる痛み

生理痛に似た痛みも、子宮が大きくなる際に起こりやすいものです。子宮は収縮を繰り返しながら段々と大きくなっていきます。その際に、生理痛のように下腹部がギューっとする痛みを感じるママが多いようです。

出血がなく、時間の経過と共に痛みが収まっていくなら様子を見ても良いでしょう。しかし、子宮の収縮は切迫流産の可能性も考えられます。出血を伴っている場合や、出血がなくても痛みが段々と強くなっていく場合、1時間の内に何度も痛みを繰り返す場合は医師の診察を受けましょう。

下腹部が重くチクチクする痛み

下腹部が重くチクチクする痛みは、妊娠に伴う便秘で起こりやすい痛みです。妊娠初期はプロゲステロンというホルモンの影響で、腸のぜん動運動が起こりにくくなります。腸の働きが弱まることで、普段はお通じの良いママでも便秘になりやすいでしょう。

便秘になると、便が排出されずお腹の奥が重く感じやすくなります。普段からあまり便秘にならないママは、チクチクとした痛みを感じることもあるようです。出血がなく、安静にして痛みが収まるようであれば様子を見ましょう。

基本は食事療法で便秘を解消するのがおすすめですが、便秘の酷いママは妊娠中でも服用できる便秘薬を処方されるケースもあります。どうしても改善できない時には医師に相談してみましょう。

下腹部からお尻にかけてキリキリする痛み

下腹部からお尻にかけて起こるキリキリした痛みは、下痢の時に起こりやすい痛みです。腸の働きが弱まる妊娠初期は、下痢を起こすママも少なくありません。

特に、つわりで食べられるものに偏りがあるママは、飲み物などの口当たりの良いものを多く摂りがちです。その結果、下痢を起こしてしまうことがあります。

下痢に吐き気や発熱を伴わない場合は自宅で様子を見ても良いですが、下痢が長引く場合や、つわりが酷く水分を摂れていないのに下痢が続く場合は直ぐに医師の診察を受けましょう。

だんだんと痛みが強くなる・腹痛で目が覚める・冷や汗をかく位の痛み

だんだんと強くなる痛みや、眠っているのに目が覚める程の痛み、冷や汗が出る程の痛みは危険なサインであることが多いです。流産が始まっている進行流産や、子宮以外の場所に着床してしまう異所性妊娠(子宮外妊娠)、着床の際に血種ができてしまう絨毛膜下血種なども考えられます。

これらの痛みを感じた際には、すぐに医師の診察が必要です。病院に着くまでに症状が悪化する恐れがあるので、家族の運転もしくはタクシーなどを利用すると良いでしょう。

出血を伴う場合は必ず医師に相談しよう

妊娠初期は約3割のママが出血を感じると言われています。出血をした場合必ずしも赤ちゃんに異常があるという訳ではなく、何の問題もないケースも多くあります。

しかし、出血している箇所や出血量によっては、異常を訴える体からのサインであることも考えられます。大量の出血はもちろんですが、少量でも出血があった際には医師の診察を受けた方が安心できるでしょう。

茶色のおりものが出た場合も、極少量の出血を起こしている可能性があります。茶色のおりものが出た場合は次の検診でその旨を医師に伝えるか、数日続く場合は医師に電話で相談してみて下さい。

妊娠初期の腹痛の対処方法

妊娠初期の腹痛を感じた際、出血や激しい痛みを伴わない場合は経過を観察しながら様子を見てみましょう。自宅で様子を見る際の対処方法や気を付けるポイントを紹介します。

安静に過ごす

何か作業を行っている場合は中断し、椅子に腰かけたり横になったりして楽な体勢を取りましょう。安静に過ごす際には、時計を確認し痛みが起こる間隔や頻度を確認しておくと、受診の際に状況を詳しく医師に説明できます。

痛みが収まったからといって、直ぐに作業を再開したり激しい運動をしたりしないようにして下さい。痛みが起こった日は、なるべく体に負担のかかる作業は避けてゆっくりと体を休めて過ごす方が良いでしょう。

【体が冷えている場合】体を温める

体を温める食べ物
痛みを感じた場合に手足が冷えているなら、安静にしつつ体を温めましょう。冷えから痛みが起こっているケースもあります。

温かい飲み物をゆっくりと飲むことや、生姜など体を温める作用を持つ食べ物を摂り入れるのもおすすめです。

体を温める作用を持つ食べ物

かぼちゃ、にんじん、ごぼう、れんこん、じゃがいも、自然薯、たまねぎ、味噌、チーズ、ヨーグルト、鶏肉、さんま、うなぎ、明太子、りんご、ぶどう、黒砂糖、全粒粉パン、玄米、生姜、香辛料など

生姜や香辛料は、加熱して取り入れるとより体を温める効果を高めます。飲み物なら紅茶やウーロン茶も体を温める効果がありますが、妊娠初期はカフェインの摂取を抑えた方が良いでしょう。ノンカフェインの紅茶などを摂り入れるのがおすすめです。

食べ物以外にも、カーディガンを羽織る、ブランケットをかけるなど、暖を取り体の内側と外側の両方から温めましょう。

【便秘が起きている場合】水分や食物繊維を摂る

【便秘が起きている場合】水分や食物繊維を摂る
便秘を起こしている場合は、水分や食物繊維を積極的に摂り入れましょう。痛みが収まった後なら、適度な運動やツボ押しも便秘解消への効果が期待できます。

便秘の際は、水溶性食物繊維を積極的に摂り入れると便の水分が増えて柔らかくなり、排出しやすくなります。
水溶性食物繊維は、ごぼうやモロヘイヤ、オクラ、きのこ類、海藻類などに多く含まれます。その他、ヨーグルトや納豆、キムチなど発酵食品も便秘解消に効果が期待できます。

ただし1週間程便が出ていない場合や、腹痛が治まらない、お腹が張って苦しい、便が堅くて排便が辛いなどの症状がある際には、医師に相談しましょう。妊娠中でも服用できる便秘薬があるので、適切に処方してもらうと良いでしょう。

【下痢が起きている場合】水分補給をする

【下痢が起きている場合】水分補給をする
下痢が起きている時に、一番注意したいのが脱水症状です。特に、つわりが酷く食事量が低下している人の場合、酷い下痢を起こすと一気に脱水症状を引き起こしてしまうことがあります。

1度にたくさんの水分を取るのではなく、少量をこまめに摂り入れると水分をしっかり吸収しやすくなります。食事を摂れる人は、胃や腸の負担を抑えた食事方法に切り替えましょう。

  • 胃や腸の負担を抑える食事の摂り方
  • 1回の食事量を減らして、1日の食事回数を増やす
  • よく噛んで食べる
  • 消化のよいものを食べる
  • 体を温める物を食べる

消化しやすい食べ物には【うどん、お粥、バナナ、リンゴ、豆腐、白身魚、半熟卵】などがあります。また、つわりが原因で水分の摂取量が減っているなら、味噌汁は水分と栄養を同時に補給できるのでおすすめです。

下痢が続く場合や、発熱を伴う場合は医師の診察を受けましょう。
つわりが酷く水分を取れていない状態や、暑いのに汗が出ない、尿が出ない、手足のふるえ、ふらつき、頭痛などを感じる場合は既に脱水症状を起こしていることもあります。これらの症状を感じる場合は、家族の運転やタクシーを利用して速やかに病院へ向かいましょう。

妊娠初期の腹痛で受診する際の目安

腹痛を感じて気になっても「これ位の痛みで受診して良いのかな?」と迷うママは多いです。痛みがあっても、赤ちゃんに問題はないケースがほとんどですが、心配する気持ちがストレスになることもあります。

妊娠初期は超音波検査を行わないと、赤ちゃんの異変を調べることができません。受診した結果「妊娠初期によくある痛みですよ」と言われても、赤ちゃんの無事が確認できればその後安心して過ごすことができるでしょう。痛みが気になる場合には、まずかかりつけ医に電話で問い合わせてみて下さい。

ただし、以下のような症状がある場合には速やかに医師の診察を受ける必要があります。

  • 出血している
  • 1時間の内に何度も痛みが起こっている
  • だんだん痛みが強くなっている
  • 刺すような強い痛み
  • 痛みと共にむくみが出ている
  • 発熱している

これらの症状が起こっている場合は、時間の経過と共に急変する可能性もあるため車の運転や公共交通機関の利用は控えましょう。家族の運転、もしくはタクシーを利用して病院に向かって下さい。

要注意!妊娠初期の腹痛に市販薬は使わないで

妊娠初期の中でも4~12週の頃は、赤ちゃんの臓器などが作られる最も大切な時期です。この時期は、ママが服用した薬などの影響を受けやすく、薬の種類によっては赤ちゃんに深刻な悪影響を与える可能性もあります。

市販の薬の中で、赤ちゃんに悪影響を与える種類の薬はあまり多くありませんが、ママが自己判断するのは大変危険です。痛み止めや便秘薬、下痢止めを使いたい場合には、必ず医師の診察を受けて適切に処方された薬を指示通りに服用しましょう。

まとめ

妊娠初期に起こりやすい腹痛や、その原因、対処法などを紹介してきました。ここで紹介した痛み方や原因は、ほんの一部です。痛みに強い人や弱い人など、ママによって感じ方はさまざまです。

すぐに受診する必要がある症状が出ている場合や、気になる痛みがある場合は、迷わずかかりつけ医に連絡して指示を仰いでくださいね。痛みという体からのSOSを、しっかりと感じ取って赤ちゃんとママが健やかに過ごせるよう行動しましょう。

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この記事の監修
エナみらいグループ総院長 宿田 孝弘
宿田 孝弘
エナみらいグループ総院長
札幌・石狩の産婦人科「エナレディースクリニック」の宿田です。母と子に優しいお産、女性が求める医療がエナにはあります。札幌・石狩市での出産や婦人科疾患のお悩みなど、お気軽にご相談ください。