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双子の妊娠確率や仕組みは?妊娠中の過ごし方や出産方法、リスクについて解説
双子の妊娠

妊娠発覚に喜んだのも束の間、お腹の中に2つの新しい命が宿っていることを聞かされて驚かない人はいないでしょう。
愛しい赤ちゃんを2人一度に授かる幸せを噛み締める反面、出産や育児に不安を感じるケースもあります。

この記事では双子の妊娠について徹底解説。双子の種類や妊娠の確立、リスクや押さえておくべき制度についても紹介します。

双子の妊娠(双胎)とは

双子の妊娠とは
通常の妊娠は、1つの受精卵が1人の胎児となり成長します。しかし、稀に1つもしくは2つの受精卵から、2人の胎児が生まれることがあります。
これを双胎妊娠と言い、2人以上の胎児を妊娠した場合多胎妊娠
と呼ばれます。

双胎妊娠は受精卵の数によって区別され一卵性双胎と二卵性双胎に分けられます。最初に、受精卵の違いによる双子の特徴を紹介していきましょう。

一卵性双胎

一卵性双胎とは、1つの受精卵から双子が生まれることです。
受精卵が同じなので、性別や血液型、容姿などの遺伝情報が同じであることが大きな特徴。
そっくりで他人から見ると見分けがつかないという双子は、主に一卵性双胎であることが多いでしょう。

二卵性双胎

二卵性双胎とは2つの受精卵から双子が生まれることです。
本来、一度の排卵で排出される卵子は1つですが、ママの体質や排卵誘発剤などの影響により複数の卵子が排卵されることがあります。
これにより、2つの卵子が同時に受精して子宮内に着床し、二卵性双胎となります。

二卵性双胎で生まれた双子の場合一卵性双胎とは異なり、それぞれに異なる遺伝情報を持っているため性別や血液型などは必ずしも同じではありません。
容姿に関しても、よく似ていることもあれば似ていないこともあり、年の差があるきょうだい位の似方であるケースも多いのが特徴です。

容姿の似ていない双子や男女の双子の場合、二卵性双胎であるケースが殆どと言えます。

双子の膜性とは

双子の妊娠は、膜性によっても違いがあります。
膜性とは絨毛膜や羊膜のことを差し、絨毛膜の数は胎盤の数を、羊膜の数は胎児が成長していく部屋の数を指します。
絨毛膜や羊膜の違いは、双子を妊娠した際にもっとも重要な情報であり、タイプによってリスクや注意点も大きく異なります。

続いては、膜性の違いについて見ていきましょう。

膜性の種類

双子の膜性は3つ分けられます。

二絨毛膜二羊膜双胎

絨毛膜が2つ、羊膜を2つ持つ双胎。DD双胎とも呼ばれる

一絨毛膜二羊膜双胎

絨毛膜が1つ、羊膜を2つ持つ双胎。MD双胎とも呼ばれる

一絨毛膜一羊膜双胎

絨毛膜が1つ、羊膜を1つ持つ双胎。MM双胎とも呼ばれる

絨毛膜や羊膜の数が少なくなる程、ハイリスクな双胎妊娠となるケースが多く注意が必要です。

膜性による双胎の違い

膜性によって双胎に違いが出るのも、双子の大きな特徴です。
一卵性双胎の場合は全ての膜性の可能性がある一方で、二卵性双胎の場合は二絨毛膜二羊膜双胎が原則とされています。

このため、一卵性双胎と二卵性双胎では、一卵性双胎の方がハイリスクで注意深く経過を観察する必要があります。

双子の妊娠が判明する時期

双子を妊娠した際「初回の妊娠検査の際には何も言われなかったのに、次の健診で急に双子だと言われた」という体験談を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
実は膜性の違いによって、双子妊娠の判明時期にも違いが現れます。

二絨毛膜二羊膜双胎の場合、エコー検査をすると胎嚢が2つ確認できます。このことから双子を妊娠していることが直ぐにわかるでしょう。

一方、胎嚢を1つしか持たない一絨毛膜二羊膜双胎や一絨毛膜一羊毛膜双胎の場合は単胎妊娠との違いが分かりづらくなります。

胎嚢が1つしかない場合、心拍を確認した際に判明することが多く、二絨毛膜二羊膜双胎と比べると一絨毛膜二羊膜双胎や一絨毛膜一羊毛膜双胎の方が双子と判明するのが遅くなる傾向にあります。

双子を妊娠する確率

双子を妊娠する確率
妊娠を希望している人の中には、たくさん子どもを授かりたいという気持ちから「双子を妊娠したいな」と思う人もいるでしょう。
しかし、双子の妊娠はそう頻繁に起こるものではありません。

続いては、双子を妊娠する確率について見て行きましょう。

一卵性双胎の確率

一卵性双胎と二卵性双胎を比較すると、一卵性双胎で双子を妊娠する確率の方が高いと言われています。自然妊娠で一卵性双胎の双子を妊娠する確率は約0.4%と言われています。

さらに膜性によっても違いがあり、一卵性の双子の中でも一絨毛膜二羊膜双胎で生まれるケースは約4分の3の確率です。続いて二絨毛膜二羊膜双胎は約4分の1、一絨毛膜一羊膜双胎は一卵性双胎全体の約1%という低い確率で生まれます。

二卵性双胎の確立

二卵性の双子を妊娠する確率は、一卵性の双子を妊娠する確率を下回る約0.2~0.3%。人種によっても確率に差があり、黒人が最も二卵性双胎になる確率が高く、アジア人は最も低いと言われています。

アジア人の中でも日本人は特に二卵性双胎になる確率が低いとされているため、二卵性双胎に多い男女の双子は歴史上でも様々な形で特別視されてきた記録が多く残っています。

双子の性別の確率

双子の性別については3パターンに分けることができますが、一卵性双胎の場合必ず同性として生まれます。
確率として見れば一卵性双胎の方が多いため、男の双子や女の双子が生まれる確率の方が高く、男女の双子が生まれる確率は双胎妊娠全体で約20%程と言われています。

双子の妊娠確率が増加傾向にある

双子の妊娠確率を知ると「そんなに低い確率なの?」と驚き、同時に疑問を感じる人もいるでしょう。身近な人が双子を出産していたり、街中で双子を見かけるケースが増えているからです。

先ほど紹介した確率はあくまで自然妊娠した場合です。

近年、不妊治療を選択する人も増えており、排卵誘発剤を使用することで卵子が複数排卵し双子を妊娠する人も増えています。
また、体外受精の際は、着床確率を上げるため複数の受精卵を子宮内に移すこともあり、複数の受精卵がそのまま着床して双子を授かるケースも増加中です。

実際に1984年から日本で双子の出産ケースが年々増加。これは、不妊治療を受ける人が増えているのに比例しているとも言えるでしょう。

双子の産み分け

妊娠を希望する人の中には、双子を産み分ける方法が知りたいという人もいるでしょう。しかし、双子を意図的に妊娠する方法は存在しません。

もともと自然妊娠した場合でも、数々の偶然が重なって1つの子宮に2つの命を授かるのが双胎妊娠です。ママやパパが何かをしたからといって自然妊娠で双子を産み分けることができるということはあり得ません。

双子を妊娠した場合の検査薬の反応とは

SNSやブログなどで発信されている双子の妊娠情報では「妊娠検査薬が早くから反応していた」というものや、反対に「妊娠超初期症状を感じたのに検査薬は陰性だった」なんて体験談を見かけることがあります。

双子の場合、妊娠時に分泌されるヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)というホルモンが多く分泌されることもあるでしょう。妊娠検査薬はhCGを完治して陽性反応を示すため、ホルモンが多く分泌されていれば早くから妊娠検査薬に養成反応が現れることもあるでしょう。

しかし、これは個人差が大きい上に最近の妊娠検査薬は性能がよく単胎妊娠でも早くから陽性反応を確認できることがあります。
また、妊娠が成立している時点でhCGが分泌されるため、双子を妊娠しているのに検査では陰性反応が出るというのはあり得ません。

陽性反応と同じようにホルモン分泌量には個人差があるため、適切な検査時期では無かった、もしくは検査方法に問題があった可能性が高いでしょう。

市販の検査薬等で妊娠反応が出ても、エコー検査をしない限り双胎妊娠の判定はできません。双胎妊娠は特に慎重に経過を観察していく必要があるため、市販の妊娠検査薬で陽性反応が出た場合には、速やかに産婦人科医院でも妊娠検査を受けましょう。

双子妊娠のリスク

単胎妊娠に比較すると双胎妊娠はリスクが高く、さらに一絨毛膜二羊膜双胎や一絨毛膜一羊膜双胎はハイリスクな妊娠と言えます。

ママと赤ちゃんが無事妊娠期間を過ごし出産を迎えられるよう、双子を妊娠したらどんなリスクがあるのかを知り、備えるようにしましょう。

マイナートラブル

妊娠中は、つわりをはじめとして腰痛や疲れやすさ、便秘、過眠などのマイナートラブルが起きやすくなります。

双子を妊娠した場合、これらのマイナートラブルを特に感じやすいというママが多いと言われています。

しかし、マイナートラブルは個人差も大きいです。辛いと思ったら無理をせずに、体を休め自分自身で解決できないようなら速やかにかかりつけ医へ相談するようにしましょう。

バニシングツイン

バニシング・ツインとは、双子の1人が亡くなり子宮に吸収されてしまう現象です。なぜ起こるのか原因などは分かっていませんが、初期流産と同じ位の確率で起こり、双胎妊娠の10~15%の確率で起こると言われています。

仰臥位低血圧症候群

仰臥位低血圧症候群とは、妊娠後期に起こりやすい症状のひとつ。大きくなったお腹の重みにより、下大動脈が圧迫され血圧が下がってしまう症状です。
単胎妊娠でも起こりやすいものですが、多胎妊娠では特に起こりやすいと言われています。横になる際にはあおむけにならず左側を下向きにしておくなどの対策で予防することが可能です。

早産

双子を妊娠した場合、早くからお腹が大きくなることから早産しやすい傾向にあります。
また、妊娠高血圧症などを引き起こしやすいため、母体と双子の状態をみて人工早産することも少なくありません。

双子は早産しやすいものの、命に関わる程早い段階で生まれてしまうケースはそう多くありません。
書類上では正産期に入る37週より1日でも早く生まれれば早産の扱いになりますが、近い時期に産まれた分、体もしっかりと出来上がって元気な産声をあげる双子も多いです。

妊娠高血圧症候群

妊娠中に起こる高血圧が起因となる症状を妊娠高血圧症候群と言います。
妊娠高血圧症候群になると、子癇痙攣や常胎盤早期剥離などのママや赤ちゃんの生命を脅かす症状を誘発するリスクが高くなります。

双子を妊娠している場合は、特に妊娠高血圧症候群を起こしやすいと言われているため、栄養バランスの整った食事や十分な水分補給などを心掛けて自己管理しましょう。

胎児発育不全

双子の場合、単胎妊娠の赤ちゃんと比較すると低体重で生まれてくるケースが多く、適正に発育できないことがあります。

ただし、推定体重が標準より軽くても心拍がしっかりしていて臓器や体の形成が順調に進んで居れば問題はありません。

胎児先天異常

胎児先天異常は生まれた時から体の欠損や不具合などの異常が発生することです。双子の場合6~7%の確率で起こり、特に一絨毛膜双胎の双子に多く見られます。

双子妊娠時特有のリスク

双子の妊娠は単胎妊娠とは全く異なります。双子を妊娠した際には特有のリスクも多く存在することを知っておきましょう。

双胎間輸血症候群

双子が胎内で胎盤を共有している一絨毛膜の場合に起こるリスクとして、双胎間輸血症候群が上げられます。これは、双子に供給される血液の配分量に狂いが生じてしまうことです。

特に2つの羊膜を持つ一絨毛膜二羊膜双胎で起こりやすく、どちらかが羊水過多、どちらかが羊水過少となり治療をしないと二人とも子宮内で死亡してしまう恐れがあります。

Selective IUGR

双胎間輸血症候群と同じく一絨毛膜双胎に多い症状にSelective IUGRがあります。
双子のどちらかのみが極端に小さくなる症状で、小さい方の胎児は子宮内で亡くなってしなうことも珍しくありません。
双胎間輸血症候群が起因となっているケースもあり、共有している胎盤から均等に栄養や酸素、血液などが送られて来ないことも発症に関係していると言われています。

双胎一児死亡時の影響

何らかの原因で双子の内の1人が胎内で亡くなってしまった場合、一絨毛膜双胎の場合亡くなった胎児に急激に大量の血液が送られてしまい、生きている胎児が低血圧や貧血を起こすことがあります。

急激に血圧が下がることで脳障害を引き起こすリスクがある他、重度の貧血によって生き残った胎児も死亡してしまうケースもあります。

臍帯相互巻絡

1つの胎盤を共有し羊膜も1つしか持たない一絨毛膜一羊膜双胎の場合、臍帯(へその緒)が絡まり合って血液循環が妨げられてしまう臍帯相互巻絡という症状があります。

臍帯は胎盤と繋がっていて赤ちゃんへ酸素や栄養を送る重要な器官。臍帯が絡まって胎盤からの供給が妨げられてしまうと、赤ちゃんが胎内で死亡してしまうこともあります。

臍帯相互巻絡のリスクを考え、一絨毛膜一羊膜双胎の双子は計画帝王切開で34週頃までに分娩するケースが多いです。

双子の妊婦検診について

双子の妊婦検診について
双子の妊娠は、細やかな経過観察と母子の健康状態の把握が求められます。
そのため初期から後期まで妊婦検診が2週間以上空くことがないよう、医師から指示されるケースが多いでしょう。経過に不安がある場合は1週間ごとの健診を受けることもあります。

双子を妊娠しているママは、健診の回数が多くスケジュールを立てるのも大変です。また、何の自覚症状がなくても健診で問題が見つかりそのまま管理入院を指示されることもあります。

仕事をしているママは、引継ぎなどの段取りを早めにしておき、上のお子さんがいるママも万が一に備えて兄姉の育児フォロー体制を作っておくことが大切です。

双子の分娩について

双子の分娩(出産)とは
双子を出産する場合、病院設備の関係で転院を求められることもあります。
特に、双子が胎盤を共有する一絨毛膜二羊膜双胎や一絨毛膜一羊膜双胎の場合、分娩時のリスクや赤ちゃんが未熟児として生まれるリスクが高いためNICUが併設されている病院での分娩をすすめられるケースも多いでしょう。

特に大きなリスクや不安要素がなければ一般の産婦人科医院でも出産可能ですが、分娩方法は赤ちゃんの状態やママの健康状態、病院の診療体制などを鑑みて決められます。そのため分娩方法を自分で選んだり希望通りに進めることは難しいでしょう。

赤ちゃんの位置が良くママの体調が整っていれば双子でも自然分娩で出産できる可能性はありますが、早い週数で計画的に分娩する場合や赤ちゃんが逆子の場合は帝王切開での出産となるケースが多いです。

双子の出産費用について

一般的に、単胎妊娠の際の出産費用は50~60万円程が相場と言われています。
一方双子の場合は赤ちゃん2人分の管理費やさまざまな医療の介入があるケースも多く、相場は60~80万円程。

しかし、管理入院や帝王切開では医療保険がおりるケースも多く、出産育児一時金は2人分支給されるため、それほど金銭的な負担は大きくないという声も聞かれます。

出産費用は病院によっても差が大きいため、事前に出産予定の病院で出産費用の目安金額を聞いておくと資金準備がしやすくなります。

双子の出産において知っておくべき制度

最後に双子の出産を予定しているママやパパが知っておくべき補助制度について紹介します。双子特有の補助などもあるので、ここで紹介する以外にも住まいの自治体で受けられる補助などがないか調べておきましょう。

出産育児一時金

赤ちゃん1人につき42万円の補助金が支給される出産育児一時金。双子の場合は2人分なので84万円の補助金が支給されます。

出産育児一時金を病院へ直接支払いできる、直接支払い制度などを利用して出産費用の支払いをスムーズに行えるよう準備しておくのがおすすめです。

高度療養費制度

双子を妊娠するとさまざまなリスクがあり、病気や切迫早産などで入院を余儀なくされるケースも珍しくありません。そこで役に立つのが、1カ月間の医療費が一定額を上回った場合、超過分を補助してくれる高度療養費制度です。

所得によって自己負担額が異なるので、万が一に備えて自分がどれ位の補助を受けられるのか確認しておくと良いでしょう。

産前産後休業

「産休」として知られている産前産後休業は、労働基準法で定められている働くママの権利です。

通常出産予定日6週間前から取得できますが、双子の場合は14週間前から休暇を取得できます。特に双子の場合は早産の確率が高くなるため、早めに業務の引継ぎを終わらせて14週間前から産前産後休業に入っておいた方が安心です。

産後ヘルパーの派遣補助

双子の場合、妊娠出産だけじゃなく産後のお世話も大変です。家族のサポートを受けられればよいですが、難しい場合にはヘルパーさんなどを雇うことも検討した方がよいでしょう。

自治体によっては双子を出産した場合、ヘルパーの派遣料金を補助してくれる制度もあります。住まいの自治体にそういった制度がないのか、問い合わせてみるのがおすすめです。

まとめ

赤ちゃんが2人同時にやってくるということは、幸せも大変さも2倍になるということ。
特に双子を妊娠した場合、出産までの間ママは心身ともに大変な月日を過ごすことになるでしょう。
いつ何が起こっても冷静に対処できるよう、双子を妊娠する際のリスクを把握しておくことが大切です。

2人の赤ちゃんが元気に産声をあげられるよう、双子について学び備え妊娠期間を健康に過ごして下さい。

 

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この記事の監修
エナみらいグループ総院長 宿田 孝弘
宿田 孝弘
エナみらいグループ総院長
札幌・石狩の産婦人科「エナレディースクリニック」の宿田です。母と子に優しいお産、女性が求める医療がエナにはあります。札幌・石狩市での出産や婦人科疾患のお悩みなど、お気軽にご相談ください。