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産褥期はいつまで?産後の過ごし方や体の変化・悪露の対処法を徹底解説
産褥期とは?いつまで?

初めての出産を控えたママにとって、産後の生活は想像もつかないもの。「産褥期(さんじょくき)」という言葉を聞いたことがないというママも多いでしょう。

この記事では産褥期について、ママの体で起こる変化や過ごし方などを紹介します。
ぜひ、ママだけでなくパパや他の家族とも「産褥期」についての理解を深めて、快適な産後を過ごせるよう準備してみて下さい。

産褥期とは

産褥期
産褥期とは、妊娠中に起こった体の変化が妊娠前に戻っていく期間のこと。
妊娠中によって起こる体の変化にはさまざまなものがあります。

約10ヵ月赤ちゃんを育んだ子宮は、妊娠前と比べると容積が約2,000~2,500倍になり、大きく膨らんだ子宮によって他の臓器も本来とは違う位置に押し上げられます。

妊娠によって変化したのは内臓だけではありません。分娩の際に赤ちゃんの頭を通すため、骨盤は大きく開きそれに伴い骨盤を支える靭帯が伸びたり骨そのものに負担がかかったりします。
また、妊娠状態を維持するためにホルモンの分泌も通常とは異なるものになっているのです。

これらの変化は交通事故による怪我に例えられることもある程、ママの体にとって大きな負担となります。
現代において産褥期はママの体の回復を行う大切な時期だと考えられ、適切な過ごし方によって体の調子を取り戻すことが大切です。

産褥期の過ごし方

産褥期は、しっかりと体を休めて心身を整えることが重要。しかし、生まれた赤ちゃんのお世話や今後の生活を考えると6~8週間を寝たきりで過ごす訳にもいきません。

産褥期の過ごし方や行動の目安について知り、段階的に通常の生活に戻していきましょう。

産後2週間まで

出産後は自然分娩なら5~6日程、帝王切開なら7~10日程の入院期間が設けられます。
これは、ママや赤ちゃんの体調を医師によって管理するためのもの。出産によって受けるダメージは、それほどまでに深刻なのです。

退院後も2週間程は安静にして、授乳など赤ちゃんに関する最低限のお世話にとどめてママの回復を最優先しましょう。

しかし、最低限のお世話といってもママはゆっくりしていられません。赤ちゃんの健康管理や夜間授乳など、初めてのことで体力的・精神的な負担も。
なるべく赤ちゃんが見える場所で横になって過ごし、赤ちゃんが眠っている時には一緒に睡眠をとって過ごすと良いでしょう。

赤ちゃんの沐浴などを行う際には、立ちくらみに十分注意しましょう。なるべくパパや他の家族にフォローしてもらいながらお世話をして下さい。

産後2~4週間まで

徐々に体が回復し、横になっている時には「もう元気になったかも」と思うママも多いでしょう。しかし、ここで無理をしてはいけません。
まずは、簡単な部屋の片づけや短時間の立ち仕事(料理や洗濯など)を、こまめな休憩を挟みつつ行ってみましょう。

疲労を感じたら、作業を止めて直ぐに体を休めて下さい。外出などはまだ控えた方が良いでしょう。
赤ちゃんの検診などでやむを得ない場合は、なるべくパパや他の家族が同伴しマイカーやタクシーを利用するのがおすすめです。

産後5~8週間まで

1ヶ月を過ぎると、随分体も回復し赤ちゃんのお世話にも慣れてくる頃です。「もうすっかり元通り」と、ママだけでなくパパや他の家族も感じることでしょう。
しかし、妊娠前の状態に戻るには3ヵ月~1年もの長い時間が必要。まだまだママの体は本調子ではありません。

短時間の外出などから徐々に日常生活へと戻していくのが良いですね。1ヶ月を過ぎると、赤ちゃんのお世話も本格的に忙しくなってくるもの。
体調を見ながら赤ちゃんのお世話を優先しつつ、できる範囲で最低限の家事からこなしていきましょう。

産後8週間は原則就業禁止!

仕事をしているママの中には、職場から「できるだけ早く復帰して欲しい」とお願いされる人もいるでしょう。
しかし、原則として産婦の生後8週間未満の就業は禁止されており、企業は妊産婦に産前産後休暇を取らせる義務があります。

産前産後休暇はママに与えられる権利なので「うちの会社は産前産後休暇を取れない」なんて会社はありません。
労働基準法で定められているため企業には産前産後休暇を与える義務があり、違反すると6ヵ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金に処されることも。
休業中は、健康保険から手当金もが支給され、社会保険料の免除も受けられます。

どうしてもやむを得ない理由で復職したい場合は、医師の許可が出れば産後6週間から復職することができます。
しかし、産後に無理をすることで体の不調を長く引きずることになるリスクも。
できる限りしっかりと休養を取り、万全の態勢で復職する方がママや職場にとっても良い結果となるでしょう。

産前産後休暇や手当金などについても詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみて下さい。

産褥期に起こりやすい症状

体の回復期間である産褥期には、さまざまなマイナートラブルがあらわれます。個人差はありますが、以下のようなトラブルがおこりやすいようです。

悪露(おろ)

出産後に起こる子宮内膜や分泌物の排出。生理よりも量が多いが出血があり、分娩時に残った胎盤の一部が排出されることも。産後すぐから1ヶ月前後まで続く。

子宮収縮の痛み

大きくなった子宮が元の大きさに戻る際の収縮による痛み。後陣痛とも呼ばれ産後3日程度までが特に強い痛みを感じやすい。授乳によって子宮が収縮して痛みが強まることも。

外科処置(会陰切開・帝王切開)の痛み

分娩の際に受けた外科処置により、処置を受けた部分に起こる痛み。処置を受けた部分は清潔に保つことが大切。痛みが酷い場合には、医師に相談を。

便秘

悪露や授乳によって体内の水分量が減り、便秘になりやすい。こまめな水分補給や、食物繊維・乳酸菌など便秘に効果的な栄養素を積極的に取り入れるのがおすすめ。便秘が悪化すると痔になることも。

腰痛

骨盤の開きや筋肉の衰えが原因。簡単なストレッチや骨盤ベルトの使用で改善できることも。

マタニティブルー

産後2週間以内に起こりやすい気分の落ち込みや不安感などの症状。ホルモンバランスが影響していることも。2週間以上症状が改善しない場合は産後鬱の可能性もあるため、医師に相談を。
マタニティブルーについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみて下さい。

要注意な症状

以下のような症状が見られる場合は、健診を待たずかかりつけ医を受診しましょう。

  • 赤い悪露が1週間以上続いている
  • 悪露から異臭がする
  • 排尿痛や頻尿がある
  • 高熱
  • めまいや息切れ、動悸
  • 乳首の痛みや、胸にしこりがある
  • 気分が落ち込んで赤ちゃんのお世話がつらいと感じる

トラブルが起こりやすいことや、1ヶ月検診を予定していることで「もう少し様子を見よう」と不調を放置してしまうママも少なくありません。
しかし、痛みやつらさを感じながらだとしっかりと体を休められないことも。
体の回復に専念するためにも、つらい症状がある時はかかりつけ医に問い合わせて相談をしてみると良いでしょう。

悪露の変化と対処法

初めて妊娠したママにとって悪露は未知のもの。「生理みたいなもの?」「生理より多いってどの位?」と疑問は尽きないことでしょう。

続いて、悪露の対処法についても紹介していきます。

悪露の変化

悪露は、生理のように子宮内膜が剥がれ落ちるだけでなく、出産で傷付いた内壁からの分泌物や排出しきれなかった胎盤の一部も含まれます。
そのため、生理よりも量が多く色や形状も生理と多少異なります。

特徴
産後約3~5日頃
赤黒い色
ドロドロとして量が多く、固まり(胎盤の一部)が出てくることも。
産後5日~2週間頃
茶褐色
赤色悪露よりも量が減り、ややサラサラとした形状に変わってくる。
産後2~3週間頃
黄色
子宮内膜が排出し終わり、血液の成分が減少。黄色っぽい分泌物のみに変わってくる。量もわずか。
産後4週間頃
白色
サラサラとしたおりものに似た白っぽい分泌物に変化。ごく僅かの分泌があった後で、悪露の排出は終了する。

悪露の対処法

産後すぐの悪露は量も多く、生理用ナプキンでは対応が難しいでしょう。出産準備品としても指定されている「産褥パッド」を利用して悪露に対処します。

ナプキンよりも大きく厚手な産褥パッドは、大量の悪露やドロドロした分泌物もしっかりとキャッチ。蒸れにくさや吸収率の高さも優れているため、会陰切開した部分を清潔に保つために欠かせません。

産後は出産準備品で用意した産褥パッドを利用するのが良いでしょう。産褥パッドには大中小の3サイズを展開している製品が多いので、悪露の量に合わせて徐々にサイズダウンしていきます。
赤黒い悪露が終わり、生理程度の量になったら生理用ナプキンに切り替えてもOK。ただし、傷口を清潔に保つためにも小まめにナプキンを取り換えて下さい。

生理用ナプキンは、余っても今後活用できます。「特に多い夜用」「普通の日用」などさまざまなサイズを用意しておくと産褥期を快適に過ごしやすくなります。

【疑問】産褥期ってお風呂に浸かっても良いの?

満身創痍な産褥期。ママの中には「お風呂に浸かってリラックスしたい」と思う人も多いでしょう。しかし、子宮口が閉じきっていない状態でお風呂に浸かると、子宮内に雑菌などが侵入して思わぬトラブルに発展してしまうことも。

産後4週間は湯舟に浸かるのを控え、お風呂はシャワーで済ませるようにして下さい。シャワーでは体が冷えてしまうというママは、シャワーを浴びる前後にじっくりと足湯をして体を温めてから入浴してみてはいかがでしょう。

里帰りせずに産褥期を過ごす3つのポイント

里帰りせずに産褥期を過ごす3つのポイント
里帰りをするママは家族のサポートを受けて産褥期を過ごすことができますが、中には自宅で過ごすというママも。
家族のサポートが難しい場合には、事前に入念な準備をして出産や産褥期を無理なく過ごす工夫をして下さい。

ネットスーパーや宅食を利用する

産褥期は基本的に外出を控えて下さい。買い物はネットスーパーを利用するのがおすすめ。
また、産後2週間程までは家事も控えた方が良いので、栄養バランスの整った宅食の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

産後の体をしっかりと回復させたり、母乳育児をしたりするためにも栄養バランスの整った食事は欠かせません。
パパが育児休暇などを取得できない場合は、料理をしなくても栄養バランスの整った食事を摂れるサービスを利用してみて下さい。

パパメインで家事を回せるよう工夫する

パパが育児休暇を取ったものの、普段から家事をしないと何をどうすれば良いのか分からず、結局ママが口や手を出してしまうというケースも珍しくありません。
育児休暇の取得を予定しているパパは、産前から洗剤の場所や家電の使い方など確認しておくと良いでしょう。

パパが育児休暇を取れない場合、食事はなるべく洗い物が出にくいタイプの宅食を利用。ロボット掃除機などの利用を検討したり、夜でも掃除ができるようフロアワイパーを用意したりしておくのもおすすめ。
ロボット掃除機は、レンタルサービスを利用すると産褥期の間だけ低コストで利用することができます。
家族が増えることで家電の買換えを検討している場合は、乾燥機能付洗濯機を選ぶと洗濯物を干す手間が省けてパパメインで家事を回しやすくなるでしょう。

事前にパパとしっかり相談して、産褥期の過ごし方を計画してみて下さい。

家事代行サービスを利用する

パパも仕事が忙しく、家事のフォローが難しい時は外注サービスの検討もおすすめ。家事代行サービスを利用して、掃除や料理をしてもらえばママは赤ちゃんのお世話や療養に専念しやすくなります。

毎日利用すると高額になる家事代行サービスですが、家事は2、3日放置しても大丈夫。週に2~3回程度家事代行サービスに依頼して産褥期を乗り切りましょう。

お住まいの自治体によっては、産後のママに家事代行サービス利用の補助金が出ることもあるようです。住まい自治体から受けられる補助を事前に調べてみて下さい。

まとめ

産褥期に起こるママの体の変化や過ごし方、マイナートラブルの対処法などについて紹介しました。
初産だと、ママにとっても初めてのことばかり。快適に過ごせるよう、産褥期についてパパとも情報を共有し、過ごし方を考えてみて下さいね。

 

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この記事の監修
エナみらいグループ総院長 宿田 孝弘
宿田 孝弘
エナみらいグループ総院長
札幌・石狩の産婦人科「エナレディースクリニック」の宿田です。母と子に優しいお産、女性が求める医療がエナにはあります。札幌・石狩市での出産や婦人科疾患のお悩みなど、お気軽にご相談ください。