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コラム

医療法人みらいグループ
産後の体型・抜け毛・むくみ・生理など、体と心の変化を徹底解説!原因や対処法を紹介
産後の心と体の変化

産後の計画を立てる際、多くの人が見落としがちなのがママの産後の体調です。産後にはさまざまな心身のトラブルがあらわれやすく「こんな筈じゃなかったのに」と、計画通りに産後を過ごせないことに落ち込んだという先輩ママ・パパも少なくありません。

この記事では、産後ママの体や心に起こるさまざまな変化について徹底解説します。出産という大仕事を終えたママの体で何が起こるのか、当事者のママはもちろん傍で支えるパパや家族もしっかり理解しておきましょう。

産後の状態「産褥期」とは

産褥期とは、出産を終えたママの体が元の状態に戻っていく期間のことです。約10カ月間お腹の中で赤ちゃんを育てるために変わった体が、徐々に産前の状態へと戻ります。

体が戻るペースは、産褥期の過ごし方や個人差によって大きく変わるため、明確にいつまでという期間はありません。しかし、一般的に子宮が産前と同じサイズに戻る6~8週までの期間を指して使われることが多いです。

産後の過ごし方

医療が発展した現代ではさまざまなケアが受けられ、より安全に出産を終えられるようになりました。しかし、生き物にとって出産は命がけの大仕事です。いくら手厚い医療を受けても、ママの体は大きなダメージを受けています。

産後は、時期や体調に合わせて安静な生活を心掛け、心身ともに回復を促すことが大切です。「安静ってどう過ごせばいいの?」というママやパパは、以下の目安を参考にしてみてください。

産後ママの心身に起こる11の変化

産後ママの心身に起こる11の変化
産後のママの体にはさまざまな変化が起こります。慣れない赤ちゃんのお世話をしながら、心身の不調を感じるのはママにとって大きな負担です。ママ自身や、一番身近な家族が産後に起こりうる体調の変化を知っておきましょう。

1.母乳の分泌

最も大きなママの体の変化は母乳が分泌されることです。出産後は赤ちゃんに栄養を与えるために母乳を分泌しはじめ、徐々にその量が多くなっていきます。

一方で、母乳の分泌量がなかなか増えないママもいます。母乳の分泌量は個人差が大きいため、粉ミルクなどを上手に活用して赤ちゃんに栄養を届けましょう。

ママが気を付けること

母乳の分泌量が多いママは、乳腺炎などに注意しましょう。適度に搾乳を行うのも効果的ですが、やり過ぎると母乳の分泌量が増えてしまいます。母乳に関する悩みは助産師や母乳外来を受診するのもおすすめです。

母乳の分泌量が少ないママは、思い切って混合育児やミルク育児に切り替える方法も検討しましょう。一番はママと赤ちゃんが心地よく過ごせること。無理せず気負わず授乳できる方法を家族や助産師などに相談してみてください。

家族が気を付けること

母乳の悩みは繊細で、家族にも打ち明けづらいママが多いです。ママ自身が話を聞いて欲しいというまで、温かく見守ってあげましょう。

一方で、正しい情報を収集することも大切です。周りの家族が母乳育児やミルク育児へのこだわりを持っていると、ママのプレッシャーとなって追いつめてしまいます。最新の情報を正確にインプットし、ママの悩みに寄り添ってあげることを優先してください。

2.子宮収縮や外科処置の痛み

産後は子宮が収縮する痛みや、会陰切開・帝王切開など外科処置による痛みを感じるママが多いです。特に、帝王切開の処置後は強い痛みを感じる中、歩行訓練を行うことも多いため、ママにとっては辛い時期と言えるでしょう。

ママが気を付けること

痛みが強い場合は無理せず医師に相談してください。母乳育児をしているママでも安心して服用できる痛み止めなどを処方してもらえます。

家族が気を付けること

ママが休める環境を整えましょう。授乳以外であれば、周りの家族ができるお世話も多いです。事前に両親学級などで赤ちゃんのお世話の方法を学んでおき、産後ママの体が辛い時にはゆっくり休めるよう準備しておくのもおすすめ。

3.悪露(おろ)

産後は出産の際に剥がれ落ちた子宮内膜や胎盤、分泌物などの排出が始まります。これを悪露(おろ)と呼び、経血よりも量が多く時間と共に量や色などが変化していきます。約1ヵ月程で収まることが多いです。

ママが気を付けること

特に産後2週間くらいまでは悪露の量が多いです。夜用ナプキンなどを使って対処し、陰部が不衛生にならないよう、小まめに取り換えましょう。大きな塊が大量に排出されたり、2週間経っても大量の悪露がでる場合は、速やかに受診してください。

家族が気を付けること

悪露が続く間、ママは特に貧血を起こしやすいです。赤ちゃんを抱いたまま立ちくらみなどを起こしてしまうと大変なことになります。なるべく横になって過ごすよう、家族も声をかけましょう。

4.抜け毛

産後はホルモンバランスの変化により、毛髪の成長サイクルが乱れて抜け毛が多くなるママも多いです。中には円形脱毛症になってしまうケースも。ただし、症状は一過性であるため、ホルモンバランスが落ち着くのと同時に徐々に改善されていくケースが多いです。

ママが気を付けること

脱毛に大きなショックを受けるママも少なくありません。一過性と割り切り、気にせず過ごすのが最も有効な手段です。その他、頭皮のマッサージなどを行い、充分な睡眠、栄養のある食事をとりホルモンバランスを整えましょう。

また、大きな円形脱毛ができてしまった場合などは皮膚科などで医師に相談するのもおすすめです。

家族が気を付けること

何も言わず見守ってあげましょう。過分な心配は逆効果になることも。気分転換に新しい趣味を始めたり美味しいものを食べたり、楽しく過ごせるよう配慮してみてはいかがでしょうか。

5.便秘

産後は出産時の出血や授乳により、体内の水分量が減り便秘になりやすい傾向にあります。

積極的に水分をとり、芋類やきのこ類など食物繊維が豊富な食べ物や、乳酸菌を多く含む食べ物をとりましょう。排泄できない場合や腹痛などを伴う場合は、医師に相談してください。

特に母乳育児の場合は、水分不足に陥りやすい傾向にあります。授乳後は飲み物を飲むよう周りの家族からも声掛けをしましょう。

6.腰痛

妊娠中、お腹の赤ちゃんを気遣いながら生活している間に腰回りの筋肉が衰え、産後に腰痛を訴えるママも少なくありません。
また、産後すぐは出産の際にゆるんだ骨盤が不安定な状態になるため、特に痛みを感じやすいでしょう。

骨盤が不安定な状態や筋肉が衰えた状態で無理な体勢をとると腰痛を悪化させてしまいます。赤ちゃんのお世話をする時にも、背筋を伸ばした正しい姿勢を保つように心掛けましょう。骨盤ベルトなどを装着して腰を支えるのもおすすめです。

7.むくみ

妊娠中、ママの血液量は妊娠前の1.5倍程に増えます。産後、急激に血液量が減ることで、体内の水分バランスを保ちにくくなり、むくみが発生しやすくなります。

また、産後は体力回復のために激しい運動ができないため、筋肉のポンプ機能が衰えてしまうこともむくみが起こりやすい原因のひとつと言えるでしょう。

つま先を伸ばしたり曲げたりして、ふくらはぎの筋肉を動かすようにしましょう。眠る時は、足を高くして寝るなどの工夫もしてみてください。

8.尿漏れ

出産したママの30~40%は尿漏れを経験しているとも言われています。これは妊娠や出産の際に起こる、骨盤底筋の損傷が原因です。骨盤底筋が損傷してしまうと、尿を留める力が弱まりクシャミなどの衝撃で尿漏れを起こしやすくなってしまいます。

体が回復してきたら、骨盤底筋を引き締める運動を取り入れてみましょう。それまでは、尿漏れ対応の吸水ライナーなどを使用するのもおすすめです。

9.肌荒れ

出産後はエストロゲンというホルモンが急激に減少します。エストロゲンには、肌艶を良くする作用があるため、産後の激減により肌荒れを感じるママも多いでしょう。

ホルモンバランスが安定するまでは、乾燥や肌荒れなどのトラブルが起こりやすい傾向にあります。充分な睡眠やバランスのよい食事などを心掛け、ホルモンバランスを整えるよう意識してみてください。

10.生理の再開

出産を終えると、ママの体は徐々に産前の状態を取り戻し、やがて生理が再開します。しかし、母乳の分泌を助けるプロラクチンというホルモンには排卵を抑える作用があるため、授乳中は生理が再開しにくくなります。

母乳育児の場合6ヵ月程、ミルク育児の場合は4ヵ月程で生理が再開するケースが多いようです。半年以上しても生理が再開しない場合、何らかのトラブルが起こっていることもあるため医師に相談してみましょう。

11.精神面のトラブル

産後は妊娠中に増加していたホルモンが急激に減少し、大きなホルモンバランスの乱れに襲われるママが多いです。強い不安や、些細なことで怒りが込み上がる、理由もなく悲しくなるなど、ホルモンバランスの乱れから情緒が不安定になることも少なくありません。

ママが気を付けること

気分の落ち込みなどを感じた際には、ホルモンバランスの乱れが原因であることを思い出してみてください。自分で自分が理解できない程に感情の起伏が激しくなるママも多いですが、ほとんどが一過性です、ホルモンバランスが整えば、元に戻ることが多いので気にし過ぎないよう心掛けましょう。

家族が気を付けること

産後2週間以内は、マタニティブルーズというメンタル面での不調が起こりやすい状況にあります。周りの家族はママの不安を受け止めてあげることが大切です。
また、2週間を過ぎてもメンタルの不調が戻らない場合、産後うつに移行している可能性もあります。ママの様子を充分に観察し、気になる点があれば専門医を受診しましょう。

産後のママが無理をせず過ごす方法

産後、ママと赤ちゃんをサポートするのは大変なこと。親族を頼れなかったり、パパが激務でサポートできないこともあるでしょう。そんな時には以下のような方法があります。

里帰りをする

親族の手を借りることのできるママは、里帰りを検討してみるのもおすすめです。家事をサポートしてもらうことで、療養と育児に専念することができるでしょう。

ただし、親族でも家事の世話を全て任せてしまうことや、赤ちゃんの泣き声などで気を遣ってしまうというママも少なくありません。ママと親族の関係性を踏まえて検討してみるとよいでしょう。

家事代行サービスを利用する

自宅で産後を過ごしたいけれど、パパなど親族のサポートを受けるのが難しい場合は家事代行サービスを利用するのもおすすめです。家事代行サービスの相場は1時間2,000円程。毎日頼まなくても一日おきや二日おきなどで依頼しても充分でしょう。

掃除や洗濯の他、食材を購入しておくと作り置き料理を調理してくれるサービスもあります。家事を代行サービスに任せれば、ママは赤ちゃんのお世話に専念できますよ。

自治体の産後ケア事業サービスを利用する

産後ケア事業とは、自治体が主動となって行う産後のママや赤ちゃんの生活をサポートするサービスのことです。原則7日間までは無料で利用でき、助産師や看護師、保健師などによる生活補助や育児補助を受けられます。宿泊型、デイサービス型、訪問型などママの希望に合わせたサポートを受けられる点が魅力です。

産後ケア事業は主体となっているのが自治体で、実際に事業を行っているのは助産院や産婦人科医院であるケースが多いでしょう。まずは、住まいの自治体に居住地の産後ケア事業について問い合わせ、対応している施設やサービスを受けられるかどうか確認してみてください。

当院は、「石狩市産後ケア事業(宿泊型)」利用施設です。1泊を1回とし合計5回まで利用できます。詳細は石狩市のホームページをご確認下さい。

石狩市産後ケア事業

ケアホテルを利用する

周囲のサポートも難しく、ママ自身が不安を感じる場合は、産後ケアホテルの利用を検討してみるのもおすすめです。産後ケアホテルでは、ホテルに駐在するスタッフや助産師・保育士などのサポートのもと産褥期を過ごすことができます。

ホテルで過ごすため家事をする必要がなく、中には24時間いつでも赤ちゃんを預けられる施設もあります。また、同じように出産を終えたママと知り合うことができ、ゆったりと産後を過ごせると人気です。

産後のママに関するみんなの疑問

出産前には全く想像の付かない産後の生活。ママの体に起こる変化も、産前には全く想像がつきませんよね。最後に、出産を控えたママが疑問に感じることについて解説していきます。

産後の肥立ちってなに?

産後の肥立ちとは、出産を終えたママが回復していくことを言います。正式な医療用語ではなく、昔から使われてきた言葉で、産後の回復が芳しくないことを「産後の肥立ちが悪い」と言います。

産後のお風呂はいつから入れるの?

自然分娩の場合シャワーなら翌日から、帝王切開の場合は術後2日目以降から可能です。ただし、病院や産院によって異なるため確認しておくとよいでしょう。

湯舟に浸かれるのは、産後1ヵ月を過ぎて産婦健診を受けてからです。悪露の状態や外科処置部分の回復状態を医師に確認してもらい、問題がなければ入浴できます。

妊娠中に増えた体重は産後戻るの?

出産後、徐々に体重は減少しますが、必ずしも妊娠前の状態に戻る訳ではありません。それどころか、「妊娠中に10kg増加したのに、出産直後に減ったのは4kg程だけだった」なんて声も珍しくありません。
出産時に体外に排出されるのは、赤ちゃんと羊水と胎盤だけなので約4~6kg前後。妊娠中に増えた脂肪や血液などはその後徐々に減っていきます。

産後はいつから仕事ができるの?

産後8週間未満の産婦の就労は法律で禁止されています。産前産後休暇として、事業者には出産予定日の6週間前から産後8週間(双子の場合は出産予定日の14週間前から産後8週間)は産婦に休暇を与える義務があります。
違反すると罰則があり、ママにとっては産婦の権利でもあるため充分に休暇をとりましょう。

止むを得ない状況など就労が必要な場合、医師の許可があれば産後6週から仕事をすることもできます。

産後の着圧ソックスは効果があるの?

産後は横になっている時間が長く、ふくらはぎの筋肉が衰えやすいため足のむくみで眠れなくなるママもいます。そんな時には着圧ソックスを履いて血流を促すのがおすすめです。
ただし、体調に合わせて無理のない範囲で使用できる着圧のものを選んでくださいね。

産後の骨盤矯正はいつからしてもいいの?

出産時に緩んだ骨盤を正しい位置に矯正することで、腰痛の予防や脂肪の落ちやすい体型作りができるとして整体や接骨院などに通うママも増えました。本格的な骨盤矯正は産後2ヵ月位から始めるのがよいでしょう。体調が安定している時に行うのがおすすめです。

まとめ

産後の心身の変化は、ママ自身やパパ、周りの家族が思っているよりもさまざまな面で起こります。中には、自分自身の体なのに上手くコントロールできないことに苦しむママもいるでしょう。事前に理由や対処方法を知っているだけでも、心に余裕が生まれます。

生まれた赤ちゃんと楽しい生活を送れるよう、ぜひママだけでなくパパや周りの家族も産後の変化について知っておいてくださいね。

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この記事の監修
エナみらいグループ総院長 宿田 孝弘
宿田 孝弘
エナみらいグループ総院長
札幌・石狩の産婦人科「エナレディースクリニック」の宿田です。母と子に優しいお産、女性が求める医療がエナにはあります。札幌・石狩市での出産や婦人科疾患のお悩みなど、お気軽にご相談ください。